パスタがますます新しい
繊細な本格イタリアンの一皿から大盛りB級グルメまで、パスタほど多彩な表情を見せてくれるメニューもそうはないだろう。外食店でもアレンジが無限に広がっているパスタだが、さらなる進化を遂げている。最近の注目株は、メイン料理と融合させ、パスタの上に具材をドンとのせたタイプだ。今号はパスタの持つポテンシャルに迫った。
【オン・ザPasta】
●「具が物足りない!」の不満からメニュー開発
「パスタ居酒屋」として18年にオープンした同店のパスタ料理は個性的だ。「他店のパスタを食べ歩き、『具材が物足りない』と感じた」と、湯浅要店主。そこで、具材をたっぷり、どかんとのせるパスタを考案した。具材は突き崩しながらパスタに絡めて食べても一つの料理として味わっても、どちらでも楽しめ、パスタの魅力が広がるスタイルだ。
【Pasta串刺し】
●種類の違うパスタを食べ比べる斬新串焼き
「パスタ屋とらうさぎ」では、さまざまな種類のパスタを用意している。しかし、シェアするにしても、従来のパスタの1人前分量では味わえる種類も限られる。そんなことから、「少しずつ食べ比べできるように、串焼きを思いついた」(湯浅店主)。何種類も注文し、焼き鳥のように串から外してシェアし、食べ比べを楽しむグループ客も多いという。
◎店舗情報
「パスタ屋 とらうさぎ 本店」
川崎市中原区上小田中3-27-5 金子ビル2階
【オン・ザPasta】
●メイン料理と融合 一皿で大きな満足感
並田耕使店長によると「一皿でコース料理を食べたように満足できるパスタを」と考案。ハンバーグは和牛120gを、牛ホホ肉煮込みは塊肉150gを使用し、堂々たるメイン料理として仕上げている。「単に具材が大きいだけのパスタではなく、メイン料理を融合させたパスタです」と、並田店長。このスタイルでフルーツをのせ、口中で味のマリアージュが楽しめる一皿なども提案中で、同店のパスタには新しい魅力がある。
◎店舗情報
「Dinette(ディネト)」
石川県金沢市広岡1-5-3 クロスゲート金沢2階
【オン・ザPasta】
●3種の神器を盛り付けたオトナ様ランチ
ステーキに付け合わせの少量のスパゲティとご飯を盛ったワンプレートはよく見かけるが、しっかり調味されたスパゲティとご飯の合い盛りとなると、不思議に新しい。同品は昭和52年の創業以来の人気メニューで、かつて近所にあったTV局の関係者や芸能人のソウルフードのようなもの。「ステーキ、スパゲティ、ご飯の”3種の神器”を合わせた大人のお子様ランチなのよ」と、山本紀子社長は話す。王道のバジルスパゲティの安定感がステーキの魅力を倍増。「無性に食べたくなった」と、遠くから足を運ぶ昔ながらのファンも多いという。
◎店舗情報
「ラ・タベルナ」
東京都千代田区六番町1-1
【Pastaイン】
●人気料理in人気料理でパスタがパワーアップ
パスタの上に卵3個分の半熟オムレツをかぶせた、ありそうでなかった「オムパスタ」。同店ではオムライスとパスタが人気なことから「人気商品同士を合わせればもっと魅力的になる」(同店広報)と、メニュー開発した。パスタは明太子クリーム、トマトソース、カルボナーラの3種類。半熟オムレツをのせることでパスタが冷めにくくなり、一緒に食べるとおいしさも増す。具材をパスタに混ぜず、上にゴロゴロとのせた盛り付けも秀逸だ。
◎店舗情報
「44(キャラントキャトル)」
広島市中区6-3 アペックスビル5階
【Pastaイン】
●食パン1斤の中に埋め込む最強B級アレンジ
食パン1斤の中にナポリタンを詰め込み、ホワイトソースとチーズをかけて焼き上げたB級感全開の巨大グルメ。イートインでは食パン4斤を使ったレギュラーサイズもあるが、テイクアウトはSサイズのみ。とはいえ総重量1378g(編集部実測)とまったく「S」ではない。ナイフで割ると出現するスパゲティは、歓声を上げずにはいられない。スパゲティを仕込むアレンジは、ミートローフや鶏肉、卵焼きなど、さまざまな食材に応用できる。
◎店舗情報
「パンプキン」
群馬県前橋市元総社町950-6
【写真説明】
写真3:左から (1)たらこ串(のりしそカネロニたらこクリーム) (2)ボンゴレ串(コンキリエボンゴレビアンコ) (3)ボロネ串(リガトーニボロネーゼ) (4)ゴルゴン串(オレキエッテゴルゴンゾーラ) (5)ニョッキ串(肉巻ニョッキ和風だれ)