アポなし!新業態チェック(171)「BAGEL&BAGEL TOKYO」新宿ミロード店
●「ベーグル&ベーグル」新宿に旗艦店 ベーグル以外にも豊富なメニュー、カフェスタイルでクオリティー高く
JFLAホールディングス傘下のアルテゴが運営する「BAGEL&BAGEL(ベーグルアンドベーグル)」が、東京・新宿の商業施設「新宿ミロード」に同ブランドの旗艦店となる「BAGEL&BAGEL Tokyo」を出店した。カフェスタイルの同店は、同ブランドの他店でも提供しているベーグルサンドだけではなく、サラダやスープ、アルコール類にも合うデリや前菜など、幅広い食事メニューを用意しているのが特徴だ。もちろん、オリジナルのベーグル商品をテイクアウトすることもできる。
ベーグルサンドは、定番の「サーモン&クリームチーズ」(980円)や「プラントミートバーガー」(880円)など6種類。キヌアやワイルドライスなどの穀類をベースに、野菜やフルーツ、ナッツ、チーズなどを盛り合わせた料理である「グレインライスボウル」は、「メキシカンコブ」「ファーマー」「オーチャード」「メディタレーニアン」(1280円~1580円)の4種類。「グリーンハーブサラダ&ベーグルプレート」(1480円)などのプレートサラダやスープの「ガンボ」(1180円)には、いずれもベーグルが添えられる。デリ&アペタイザーとして、「農家のカポナータ」(500円)や「国産はちみつレモンとハーブチキン」(600円)などが10種類ほど、グルテンフリーのデザートも多数用意されている。
いずれも、カフェとしてはクオリティーの高いアイテムで、同社のメニュー開発の実力が感じられる。
(価格はすべて税抜き)
★けんじの評価 立地とマッチするか、今後の動向に期待
「BAGEL&BAGEL」の創業は1997年。同じ新宿の新宿御苑前駅に近いエリアで、コンビニエンスストアとタイアップした店舗からスタートした。同ブランドを創設したドリームコーポレーションは、2018年に現在の社名に変わったらしい。同社の創業後、ベーグルの専門店はいくつも登場したが、同社が日本においてベーグルという食べ物をポピュラーにしたパイオニアであることは間違いないだろう。
「新宿ミロード」は小田急電鉄グループの商業施設だ。店舗があるモザイク通りは新宿駅の南口と西口を結ぶ抜け道のような通路でもあり、人通りは非常に多い。このテナント区画には同社の別なカフェ店舗があったのだが、内装などは一部そのまま流用しているようだ。
多くのメニューアイテムには、料理だけではなくドリンク類にもちょっとしたアイデアが盛り込まれていて、カフェメニューとしてのセンスのよさが感じられる。それだけに、店舗の立地やデザインとのミスマッチ感がやや気になった。このメニューを出すのであれば、例えば、もう少し落ち着いた余裕のあるエリアの路面店で、欧州の古典的な様式を取り入れた意匠などがふさわしいように思える。もちろん、そもそもファストフード的な展開をしている同ブランドが、そういう方向性を狙うべきかどうか、という問題はあるだろうが。
臨店時は時短営業が継続しておりアルコール類は注文できなかったのだが、そんな中でもスタッフが皆、かなり高いレベルであったことが印象的だった。
●店舗情報
「BAGEL&BAGEL TOKYO」新宿ミロード店
開業=2021年7月2日
所在地=東京都新宿区西新宿1-1-3 新宿ミロード1階 モザイク通り
◆外食ジャーナリスト・鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。
編集協力:株式会社イートワークス
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