メニュートレンド:“種類の数だけベースあり”のギョウザワールド 定番から創作系まで10種類以上
冷凍ギョウザの無人販売店の増加など、ギョウザは中食としての人気も拡大中だ。ギョウザを看板にする飲食店は多いが、今後はいかに家庭食よりも付加価値ある商品を提供できるかが、客を呼ぶポイントとして重視されるであろう。大阪・西中島にある「餃子の248」は、多彩な味で勝負するギョウザ専門店。定番から変わり種まで、ギョウザ好きがうなる味で人気を集めている。
●ユニークなサンドも
「種類の数だけベースがある」が同店のこだわり。ギョウザの種類は10種類以上あるが、すべて中に包むあんの味が違うという徹底ぶりだ。
鹿児島県産豚ミンチや高知県産ニラ、ショウガなど素材を厳選し、商品に合わせた食材の組み合わせと味付けであんを構築。さらに、大きさや味に合わせて4種類の皮を使い分け、独自のギョウザを生み出している。
定番の「248餃子」は、野菜を多めにブレンドした、キャベツの歯応えと豚ミンチとのバランスを楽しめる人気メニュー。鹿児島県産黒豚の赤身ミンチを使用した「黒豚生姜餃子」(461円)や、鶏ミンチとヤゲン軟骨、大葉などを使用した「しそ餃子」(同)も好評だ。
創作ギョウザでは、豚ミンチとトントロなどを使用し、淡路島の「えびすもち豚」をくるりと巻いた「肉巻き餃子」は食べ応えがあり男性に人気。「えび餃子」は、顔を出したエビと丸い形が特徴。刻んで入れるのではなく出して主張するという、見た目も楽しいインパクト大の商品だ。
また、「喫茶店でサンドイッチを頼んでひらめいた」(堅田智也店主)という「餃子カツサンド」は、248餃子のあんを四角く成形してカツにし、パンに挟むという驚きの発想。こちらはテイクアウトでの利用が多い人気商品となっている。
客のニーズに合わせてメニューを増やし、味もブラッシュアップしてきたという同店。麻婆豆腐などの中華メニューも導入し、居酒屋として楽しめる店づくりを行っており、ギョウザメニューの厳選も検討中とか。
無人ギョウザ販売店については「画期的な発想で勉強になる。飲酒する人の減少や、将来は来店してもらうことが難しくなる可能性もある。世情に左右されない飲食の方向性を考える必要を感じています」と、堅田店主。今後は、店で人気のシュウマイの専門店化や通販なども目指したいと語る。
●店舗情報
「餃子の248(ニシヤ)」
所在地=大阪市淀川区西中島3-12-5 桝谷ビル3階/開業=2015年3月/坪数・席数=10坪・26席/営業時間=17時~翌1時(金・土曜は翌2時48分)。不定休/平均客単価=3000円
●愛用食材・資材
「かき醤油」アサムラサキ(岡山県笠岡市)
香りとコク深まる隠し味
「248餃子」のあんの隠し味として使用。同店では以前は濃口醤油を使用していたが、2~3年ほど前に同品に変更。「少量の使用で香りとコクが深まる」(堅田店主)のが魅力だ。炒め物や、ラーメンや炊きギョウザのスープのポイントとしても活用しており、汎用性が高く今後も愛用する商品である。
規格=1000ml