メニュートレンド:すべての具材がビッグ!迫力豚汁 昼夜で人気メニューに成長
3年以上に及ぶコロナ禍で、経営形態を見直した飲食店も多いに違いない。夜営業の店がランチ営業にも乗り出す例が増加したが、新参入ではメニューの魅力が集客のポイントになるのは明白だ。大阪のオフィス街にある「ポルコロッソ」は、ランチタイムは豚汁専門店、夜はハイボールスタンドとして営業。ビッグな具材の豚汁が評判を呼び、近隣ビジネスマンのハートをがっちりとつかんでいる。
●野菜2倍、ご飯のお代わり無料
同店は、以前は夜だけ営業するバー。2年前にランチタイムをスタートするにあたって選んだのが、豚汁での一本勝負である。
「いろいろな定食を用意するのは手間がかかり、設備も必要になる。豚汁を嫌いな人は少ないと思い、このスタイルを考えました」と、菊谷店主。客の年齢層は幅広く男女比は半々で、思っていた以上の集客ができていると語る。
豚汁の特徴は、半端ない具材の大きさ。主役の豚ばら肉は薄切りではなく、圧力鍋で軟らかく調理した塊肉。具材は木綿豆腐と大根、ニンジンで、いずれも大きくカットしている。インパクトがあり、細かくカットする下準備の時間が省けるという、提供する側にもメリットがあるメニューだ。
これだけでも迫力十分だが、無料で野菜が2倍になるサービスも実施。客の半数がオーダーし、野菜2倍の豚汁単品(740円)で頼む女性客もいるとか。食べ応えたっぷりの、主役になる豚汁である。
レギュラーメニューは、2種類の味噌をブレンドした「豚汁」と、唐辛子などでうま辛風味に仕上げた「紅の豚汁」、マイルドな和風カレー風味の「カレー豚汁」の3種類。さらに、季節ごとに限定メニューを考案し、計4種類を用意する。
好きな豚汁がセットできる定食は2種類で、人気は「豚卵かけ定食」。ご飯にトッピングした鰹節と新鮮な生卵とのマッチングで、ワンランク上の卵かけご飯が堪能できる。ご飯のお代わり自由なので、2杯目はシンプルに白米と豚汁でという楽しみ方もOKだ。
ランチタイムの混雑緩和のため、11時30分までの入店で100円引きのサービスを実施しており、この時間帯の固定客もついているとか。夜も豚汁を求める客が来店し、昼夜共に客を呼ぶメニューとして成長している。
●店舗情報「ポルコロッソ」
所在地=大阪市中央区備後町1-1-4/開業=2016年9月/坪数・席数=32坪・30席/営業時間=11時~14時(売り切れ次第終了。土曜は昼営業なし)、18時~23時。日祝休/平均客単価=昼900円
●愛用食材・資材
「紅花生たまご」 山田鶏卵(山形県米沢市)
卵かけご飯がグレードアップ
同店では、卵かけご飯をグレードアップしたいと、1年ほど前から同品を採用。自社農場での徹底した衛生管理の下、ブナの木のエキス・木酢液などの天然の栄養素や、紅花や米ぬかなどのこだわりの餌で生産される商品である。卵特有の生臭さが少なく、濃厚な甘味とコクがあるのが特徴で、魅力的な卵ご飯の立役者となっている。