アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:ファッション系の学生団体、環境や社会の課題にも関心

2024.06.03 544号 06面
名城大学の「トップリーフ」

名城大学の「トップリーフ」

 近年、大学生主体のファッション関連団体の動きが活発です。共通するのは「ファッションが好きだからこそ、次世代により良い未来を残したい」という思いです。環境だけでなく、人権など社会課題にも目を向けた活動も目立っています。

 関東中心のインターカレッジサークルの「カルテナ」は、不用衣類を回収し小物にアップサイクルして販売しています。

 出前授業で、アパレルの過剰な生産や廃棄、途上国での生産現場の実態も伝えています。中学生から大学生までがメンバーの「やさしいせいふく」は、環境・人権面に配慮したコットンのTシャツを販売するほか、講演会でサプライチェーンの課題も提起します。

 学生が見つめるのは次の世代なので、環境や人権問題を自分ごととしてとらえています。「環境に優しい」というグリーンウォッシュや情報の信憑(しんぴょう)性にも敏感です。学生団体へのアンケート「アパレル業界における環境問題について思うことや感じること」では、「環境に貢献していると主張していても実際、本当なのかわからない」「信頼性のある情報の見分け方も理解できていない」と不安を感じる声が目立ちました。名城大学の「トップリーフ」は「ビジネスとして服を作り続けなければならないのもわかる。すべてを変えることは難しいが、一人一人の行動で少しは良くなるのではないか」と、廃棄予定の衣服をアップサイクルしています。

 (繊研新聞 取締役編集局担当 矢野剛)

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