ゴルフ飯特集 メニュートレンド:ゴルフ場「7分の壁」を超えた「つけ麺」
グループ200ブランド以上の外食事業と連携するクリエイト・レストランツ(以下、CR)は2019年、西洋フード・コンパスグループが受託するゴルフ場レストランの運営事業を取得。現在68ヵ所、それぞれの客層と環境に見合う店別のメニュー開発を進めている。多種多様なブランドを手掛けるだけに提案力と機動力は抜群。昨今はゴルフ場の「7分の壁」を打ち破った「つけ麺」の大ヒットが業界を驚かせている。
●月販1000食突破の衝撃的ヒット
このほど受託先の一つ、関東の有力ゴルフ場で提供したCR系列「つけめんTETSU」監修の「つけめん」(1500円・税込み※店舗により異なる)が月販1000食を突破。期間限定というプレミアム感もあるが、月間来場の約4000人中、約25%が注文するダントツの人気ぶりを見せた。
山田純・ゴルフ事業部長は「一般的にざるそば・カレー・中華麺の上位3分野(セット含む)で全注文の約半分、月販2000食を占める。つけ麺単品で1000食以上は衝撃的」と明かし、「専門店ブランドの強みを発揮したとはいえ、ゴルフ場のメニューの改革に手応えを得た」と意気込む。
夏場は、ざるそばを筆頭に冷やし麺の主戦場。つけ麺も有力な一品になりそうだが、実は「ありそうでないメニュー」の代表格とされる。理由は「7分の壁」にある。ゴルフの組は7分間隔でスタートするため、レストランの来店・退店は7分おき、従って接客と調理も7分以内。だが本格的なつけ麺は極太麺が前提で、極太麺はゆで上げに約10分かかる。つまり7分の壁を超えられないというわけだ。
「系列のラーメン専門会社・YUNARIが総力を挙げ、ゆで上げ3分半の極太麺を開発。既存の冷凍麺を使う手もあったが、それだとTETSUのブランドが色あせる。あくまでTETSUの極太麺で時短にこだわったのが決め手」(山田部長)と説く。
CRは1999年に創業。フードコートを基盤にM&Aを推進。いまやグループ20社・226ブランド・1116店舗に事業拡大し、年商は約1560億円に達する(2025年2月期)。そして今後注力するコントラクト事業(受託運営)では、マルチブランドを生かした定番メニューの付加価値アップに挑戦。ゴルフ場レストランの試みは、その皮切りに位置付けられる。
「受託運営は集客が安定しているが、競合がないので、メニューの見直しが遅れがち。売れる定番を、もっと売れる定番にブラッシュアップすれば、注文の集約化が進み、営業効率が飛躍的にアップする。当社ブランドの活用にうってつけ」(山田部長)。
一方、同社が全国展開する直営店のスタッフを応援部隊として共有できる強みもあり、業界の課題である従業員の安定確保にも有利だという。何よりフードコートを得意に発展した会社だけに「集約・時短・回転」の演出はお手のもの。その真骨頂が注目される。
●クリエイト・レストランツ
本社所在地:東京都品川区東五反田5-10-18
ゴルフ場レストラン運営受託・全国68ヵ所
●愛用食材・機器
「オリーブoil deアーモンド」 カネカ食品(東京都新宿区)
いつものメニューを付加価値アップ
ワインとの相性が抜群。おつまみ注文が多い。イタリア製造ピュアオリーブオイル100%使用の本格的な風味が自慢。粗めに砕いたアーモンドの食感が美味。オニオン、ブラックオリーブ、バジル入りで、フランスパンをはじめクラッカーやサラダにマッチ。いつものメニューを手軽に付加価値アップできる。