多忙でも読める外食ニュース

2023.07.03 533号 04面

 ●「どうとんぼり神座」 つけ麺の新業態出店

 理想実業が展開するラーメン店「どうとんぼり神座」から、新しくつけ麺専門店ブランド「麺屋道頓」が生まれた。同店が出店したのは大阪・道頓堀。従来からあるつけ麺メニューをブラッシュアップし独立させた、スピンオフブランドという位置付けとなる。「神座」が創業以来重視しているオリジナルスープをベースにしたつけ麺スープと、つけ麺専用の太麺を新たに開発。QRコードによる多言語のモバイルオーダーにも対応し、インバウンド需要の取り込みも狙う。

 解説=「神座」は1986年、道頓堀に1号店を出店。2003年の新宿店で関東に進出したが、21年には本社を大阪に移転し、大阪を中心に関西を本拠地として展開する姿勢を明確にした。同店を含めて現在は76店舗を出店。

 ●ゼンショーが5月に欧米で大規模M&A

 ゼンショーホールディングスは5月、ドイツで寿司のテイクアウト店221店舗、回転寿司店7店舗を展開する現地企業Sushi Circle Gastronomie GmbHを買収した。また6月には、北米や英国を中心に寿司のテイクアウト店など約3000店舗を展開する英国系企業SnowFox Topco Limitedを買収。いずれも全株式を取得し子会社とするが、SnowFox社の取得総額は874億円超で、同社としては過去最大のM&Aとなる。

 解説=今後、日本国内の市場には大きな成長が見込めない見通しから、外食のみならず流通系企業の多くが海外での展開を模索している。M&Aによる拡大は効率的だが、大規模な海外チェーンを運営できるかどうかがカギとなるだろう。

 ●東京・原宿に新業態サツマイモのカフェ

 クリエイト・レストランツは、新業態のサツマイモスイーツカフェ「いもやいもこ」を東京・原宿の商業施設に出店した。同店は、「さつま芋モンブランソフト」や「さつま芋ティラミス」「焼き芋ブリュレ」といったサツマイモをベースにしたスイーツのほか、熟成させたサツマイモの「焼き芋」などを取り揃えたテーマ性のあるカフェ。JR原宿駅の駅前でテラス席を含め40席以上の客席を確保し、カフェ利用としても十分な規模を持つ。メニューは写真や動画などの「映え」を意識している。

 解説=食物販を中心に、スイーツ系商品の需要は衰えない。イートインのある飲食店で、テーマとなる素材を限定したスイーツのカフェというのはかなり冒険とも思えるが、成功すれば多くのバリエーションが生まれる可能性もある。

 ●ホットランドの新業態 大衆ビストロ出店

 ホットランドの傘下で、「銀だこ酒場」「日本再生酒場」「もつやき処 い志井」などを展開するオールウェイズが、東京・調布市に新業態「大衆ビストロ コタロー」をオープン。同店は、オープンキッチンのカウンター席から一人席、テーブル席、個室までを用意し、ランチとディナーで営業する「お酒も楽しめる街のレストラン」。ディナー時間帯には、モツ焼き屋としてスタートしたオールウェイズの本領を発揮する肉料理のほか、小皿料理やデザートなど40種以上のメニューを揃えた。

 解説=ホットランドはかねてから、飲酒業態への参入に積極的だ。オールウェイズは、2021年に各ブランドを運営する企業をホットランドが完全子会社化し、翌年、それらの吸収合併によって設立された新会社が社名を変更したもの。

 ●キッチンジロー ジョイフルが吸収合併

 ジョイフルが完全子会社である洋食店ブランドのキッチンジローを吸収合併。キッチンジローは2018年にジョイフルの傘下に入り、翌年には二毛作業態として新ブランド「ほろよいジロー」を立ち上げるなど新たな展開を図った。しかしコロナ禍の影響で大多数の店が閉店を余儀なくされ、直近では2店舗のみとなり債務超過に陥っていた。この合併に先立ち、ジョイフルは同社が持つキッチンジローの債権を一部放棄することで債務超過状態を解消する。合併の効力発行日は7月1日。

 解説=キッチンジローは1964年、東京・神田で創業。最盛期は直営店とFC店を合わせて50店舗を超えていた。コロナ禍ではジョイフルも200店舗の大量閉店を発表し、キッチンジローも15店舗のうち13店舗を閉店した。

 ●フレッシュネスバーガー、全店に「ヨルカフェ」

 「フレッシュネスバーガー」は、ビールと夜の限定メニューを提供する「ヨルカフェ」のサービスを全店で開始した。女性の一人客などによる飲酒を伴う利用を狙う。昨年から一部の店舗で実施していたものをリニューアルした。

 ●モスバーガーが紙製カップ導入

 モスフードサービスは、コールドドリンク用のプラスチック製カップを紙製へと切り替え。カフェ業態など一部の店舗を除くが、これにより、最終的に1年間で約670tのプラスチックを削減できるという。

 ●魚金グループ、焼肉業態に初参入

 居酒屋「魚金」などを展開する魚金グループが、東京・池袋で創業60年近い老舗焼肉屋「大東苑」の運営を引き受けリニューアル。“昭和の町焼肉”をイメージした「東京タレ焼肉 大東苑」として再生した。同社グループとしては初の焼肉業態。

 ●くら寿司、中国に出店、上海1号店オープン

 くら寿司が上海に中国大陸1号店を出店。台湾のグローバル旗艦店出店に続き、上海市の大型ショッピングセンター「龍之夢購物中心」に220席の店舗を構える。今後10年間で100店舗の出店を目指し、年内にはさらに2店舗を計画している。

 ●HUGEが東京駅にイタリアン新業態

 出店を続けるHUGEが、東京駅の商業施設に新業態の薪焼きイタリアン「オステリア イル ヴィアッジオ」をオープン。キッチンに大型の薪焼きオーブンを導入し、イタリア料理を薪火で調理する。出店は改札外にある「グランスタ八重洲」。

 ●フィレンツェの老舗、ジェラート店上陸

 バウムクーヘンなどで知られるユーハイムが、イタリア・フィレンツェの老舗ジェラートショップ「バディアーニ」を日本に上陸させた。フィレンツェはジェラート発祥の地として知られ、同店の創業は1932年。出店はユーハイム神戸元町本店内。

 ●コロワイドの新業態、海鮮酒場を横浜に出店

 コロワイドグループで新業態を手掛けているベイ・フードファクトリーが、海鮮酒場「酒と魚とめし 濱いちもんめ」を横浜駅西口にオープン。総席数108席の路面店で、入口付近には立ち飲み席を設ける。鮮度にこだわった魚料理を中心に提供。

 ●串カツ田中HD、直営11店を事業譲渡

 串カツ田中ホールディングスは、福岡県の「串カツ田中」直営店のうち11店舗を、経営資源を集中させる目的で既存のフランチャイジーであるイートスタイルに事業譲渡すると発表。イートスタイルは宮崎県に本社を持つ食のメガフランチャイジー。

 ●リンガーハット、ちゃんぽんパン発売

 「リンガーハット」新宿東宝ビル店では、「ちゃんぽん」などのメニューをコッペパンの具にアレンジしたテイクアウト商品「モグベジコッペ」を期間限定で発売。商品は「ちゃんぽんコッペ」や「麻婆茄子コッペ」、ナポリタン風の「ちゃポリタンコッペ」など4種類。

 ●JR上野駅ホームで駅そばをDX調理

 JR東日本クロスステーションのフーズカンパニーは、JR東日本上野駅のホームで自動調理販売機を用いた「セルフ駅そば」を開業。米国シリコンバレーのフードテックベンチャー企業が開発した機器により、4種類のそばメニューを無人で販売。立ち席10席ほどの店舗。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

 ※記事は一部の固有名詞を省略

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