メニュートレンド:不動産会社社長と角煮丼屋店主の二刀流

2024.03.04 541号 01面
特上角煮丼定食 2,800円(税込み) 招き看板風の「東京 角煮丼屋くろしろ」のミニ木札がオシャレ

特上角煮丼定食 2,800円(税込み) 招き看板風の「東京 角煮丼屋くろしろ」のミニ木札がオシャレ

豚汁と香の物が付く

豚汁と香の物が付く

ブランド豚の「和豚もちぶた」を使用。「長時間、加熱しても脂身が煮崩れしません」と若井店主

ブランド豚の「和豚もちぶた」を使用。「長時間、加熱しても脂身が煮崩れしません」と若井店主

【下ゆで】酵素の働きで肉を軟らかくするためにコメのとぎ汁を加えて下ゆでする

【下ゆで】酵素の働きで肉を軟らかくするためにコメのとぎ汁を加えて下ゆでする

【煮込み】日高昆布と鰹節のWだし汁に酒、醤油、みりん、さらに甘味をプラスするために玉ネギを加える

【煮込み】日高昆布と鰹節のWだし汁に酒、醤油、みりん、さらに甘味をプラスするために玉ネギを加える

【焼き】煮込んだ肉の表面を焼いて肉の香ばしさを出す

【焼き】煮込んだ肉の表面を焼いて肉の香ばしさを出す

【愛用食材・資材】「キッコーマン 本醸造 特選 丸大豆しょうゆ」キッコーマン食品(東京都港区)

【愛用食材・資材】「キッコーマン 本醸造 特選 丸大豆しょうゆ」キッコーマン食品(東京都港区)

 大ぶりの角煮の塊は人を魅了する。つややかな脂身、甘じょっぱい色合いの赤身…白飯の上にのった角煮丼には肉好きならずとも目を奪われるものがある。料理修業ゼロの不動産会社社長が開業した「角煮丼屋くろしろ」の「角煮丼」はそんな逸品だ。

 ●マーケティング力でメニューをヒット

 自炊しか料理修業をしたことがない若井直也店主が飲食店を開業するにあたり、角煮丼の専門店を選択した理由は「角煮が好きで自炊で300回くらい作ったことがあるのと、プロの料理人に技術で勝負しても勝てない。時間のかかるものなら同じ土俵に立てるかなと思って。専門店にしたのは他のメニューに手を出す余裕がないからです」。

 その言葉通り、豚ばら肉の下ゆでは3時間、煮込みと味付けに90分、その後12時間寝かせて味を染み込ませる。下ゆでは、肉の繊維を保った状態で軟らかくするために30分加熱して30分休ませるを、3回繰り返す。2日がかりの工程で作る角煮は「箸で縦割り」できるのがウリだ。

 さらに店とメニューの知名度を上げるために駆使したのが、会社経営で培ったマーケティング力。ホームページに、店が紹介されたテレビ番組や来店したユーチューバーの動画、店のX(旧ツイッター)、インスタグラムのほか、若井店主のブログを投稿。それぞれフォロワー数、アクセス数を増やしている。

 んで、当店の角煮丼が検索ページの上位に表示されるようにしています」と戦略的だ。2店舗目、3店舗目の出店もすでに進行中の「角煮丼屋くろしろ」の「角煮丼」は、一品勝負メニュー※の成功例といえるだろう。

 ※取材は1月中旬。2月からは「角煮丼定食」を低価格化した「角煮定食」「豚汁定食」を提供予定

 ●店舗情報

 「角煮丼屋くろしろ」

 所在地=東京都新宿区高田馬場3-37-21階/開業=2023年6月/坪数・席数=15坪・9席/営業時間=11時30分~14時、火・木~土曜18時~21時(日曜・祝日は夜営業なし)。月・水曜休/平均客単価=1950円/1日平均集客数=20~25人

 ●愛用食材・資材

 「キッコーマン 本醸造 特選 丸大豆しょうゆ」キッコーマン食品(東京都港区)

 コストパフォーマンス抜群

 丸大豆を100%使用して仕込み、じっくりと熟成させたうま味・コク・風味が豊かな醤油。「醤油は角煮の味付けで重要な役割です。いろいろ試しましたが、この醤油は万人ウケする味。価格的にもリーズナブルでコスパがいいですね」と若井店主。

 規格=1L

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