多忙でも読める外食ニュース

2024.06.03 544号 04面

 ●鳥貴族が社名変更、コーポレートロゴ一新

 鳥貴族ホールディングスが5月から社名をエターナルホスピタリティグループに変更。コーポレートロゴを一新し、新たな企業ビジョンを打ち出した。また、福岡・博多を中心に「焼とりの八兵衛」などを運営するhachibei crew、および大阪でミシュラン一つ星の「焼鳥 市松」を運営するAO、それぞれと協業に関する協議を進めると発表。今後の海外展開で、「鳥貴族」とは異なるミドルレンジやハイエンドのブランドが必要になるとの認識を示した。

 解説=同社は、2022年にサントリーグループの傘下にあった「やきとり大吉」を子会社化し、一気に店舗数を拡大した。今回の社名変更は、今後の海外展開を踏まえて、幅広いブランド展開を視野に入れたものと推測されている。

 ●勝沼ワイナリーにカフェ、HUGEの新ブランド

 多ブランドの飲食店を展開するHUGEが、山梨県の勝沼町にあるワイナリー内にテラス席のある新ブランドのカフェ「IWAI TERRACE(イワイテラス)」をオープン。まるき葡萄酒が運営する「マルキワイナリー」内の店舗は、店内50席のほか、屋外にもBBQテラスを含め50席以上あり、ジンギスカンなどのメニューが楽しめる。敷地内にはHUGEが運営するクラフトビールのブリュワリーを設置。都心からアクセスもよく、南アルプスを望む内陸リゾート立地の店舗だ。

 解説=日本のワイン製造にこだわる「マルキワイナリー」は1877年の創業。明治時代から続く、日本で現存する最古のワイナリーとして知られる。同ワイナリーは、HUGEの店舗で提供されているハウスワインも手掛けている。

 ●ロイヤルとすし銚子丸、双日と合弁会社設立

 ロイヤルホールディングスは、回転寿司の「すし銚子丸」などを展開する銚子丸、および総合商社の双日と共同で、米国における寿司事業の展開に関する合弁事業契約を締結、カリフォルニア州に合弁会社SUSHI-TEN USAを設立した。日本の国内市場の縮小と海外市場の拡大を踏まえて、3社の専門性を生かした協業を検討し、合意した。米国カリフォルニア州は、ロサンゼルスやサンフランシスコなどの大都市を中心として、全米で最多の日本食レストランが存在しているという。

 解説=「SUSHI」は、日本ルーツの料理として世界的に知られる存在となっている。寿司業態ブランドを持たないロイヤルホールディングスとしては、こうした提携による展開でスピーディな出店が可能になると考えたのだろう。

 ●大戸屋の和食ブランド、マレーシアに初進出

 大戸屋ホールディングスがマレーシアに初上陸し、2011年にタイ・バンコクに1号店を出店してから展開がなかった和食ブランド「みつもり」の2号店をオープンした。同ブランドはそばと天ぷらを中心にした和食業態。北海道産のそば粉を使用し、薄い衣にこだわった天ぷらや手作りの豆腐など、素材や職人の技を売り物にした料理を提供する。出店はマレーシアの首都クアラルンプールにある「伊勢丹」の商業施設4階。同社の海外展開は、15年のタイ出店からスタートした。

 解説=店名の「みつもり」は、同社の実質的な創業者であった三森久実にちなんだものであるという。同社はタイに50店舗以上を展開しているが、同ブランドを十数年もの間出店しなかった理由はそうしたところにありそうだ。

 ●寿司居酒屋「杉玉」、米国1号店を出店

 回転寿司「スシロー」や寿司居酒屋「杉玉」などを展開するFOOD&LIFE COMPANIESは海外展開の子会社を通じて、「杉玉」の米国1号店をマサチューセッツ州ボストンに「Sakabayashi(酒林)」というブランド名で出店した。「酒林」とは造り酒屋の店頭に掲げられている「杉玉」の別称。店名など一部は異なるが、同店ではできる限り日本国内のメニューに近いアイテムを開発し、提供しているという。「杉玉」の海外店舗は米国で2ヵ国目となる。

 解説=同社の海外進出は2011年から。現在、「スシロー」を韓国、台湾、香港、シンガポール、タイ、中国大陸、インドネシアに出店している。「杉玉」の海外展開は22年の香港からで、香港には現在4店舗を展開している。

 ●フォーシーズの新業態、中華料理「香華園」

 「ピザーラ」など多数のブランドを展開するフォーシーズが、東京・多摩市の商業施設に中国料理の新業態「香華園」をオープン。60業態の多彩なブランド展開で知られる同社だが、中国料理は既存2ブランドのみ。

 ●バーガーカフェが、派生業態出店

 アパレルのベイクルーズが、展開するバーガー店「J.S.BURGER CAFE(ジェイエスバーガーズカフェ)」の新業態「J.S.BURGERS Jr.」を出店。従来より低価格で、テイクアウトにも対応する。

 ●ミツウロコグループの、コーヒー栽培新事業

 エネルギー事業のほか、「カールスジュニア」などの飲食店も展開するミツウロコグループホールディングスは、子会社を通じて国産のコーヒー豆栽培事業をスタートした。群馬県藤岡市に「スマート農業ハウス」を建設。将来は全国展開を目指す。

 ●丸源ラーメンの「おせっかいさん」

 物語コーポレーションが展開する「丸源ラーメン」では、従来、「看板娘・孝行息子」と呼んでいた接客スペシャリストを、ジェンダーレス・エイジレスな名称である「おせっかいさん」に変更。現在、全国で約750人の「おせっかいさん」が在籍。

 ●銀座に時間制カフェ、B&V自社ビル内

 「カラオケ館」を運営するB&Vが、銀座の自社ビルに時間制のカフェ「タイム珈琲店」をオープン。ゲート方式のセルフサービスで、最初の60分900円が基本料金、以後30分単位の時間料金制となる。1階と地下で110席を超える大型店。

 ●吉野家がラーメン食材、宝産業の全株式取得

 吉野家ホールディングスは、ラーメン店向けの麺やスープ、タレなどを製造、販売する京都の宝産業の全株式を取得し、子会社化した。宝産業は関東と関西に工場を持ち、海外にも拠点がある。同社ではラーメン事業を「次なる柱」と位置付けている。

 ●ガストの配達、ロボットで開始

 すかいらーくホールディングスはUber Eats Japanと共同で、デリバリーロボットによる「ガスト」日本橋店の配達を開始した。ロボットは保温保冷機能を備えた自走式で、Uber Eatsアプリからの同店の注文の一部を配送する。

 ●東京に「チカラめし」、再びオープン

 SANKO MARKETING FOODSは、東京・千代田区の九段第二合同庁舎内に、焼き牛丼の「東京チカラめし」を提供する店舗「東京チカラめし食堂」を出店した。「東京チカラめし」ブランドの店舗は、国内では大阪にある1店舗のみ。

 ●韓国カフェの大阪進出、商標類似トラブルか

 韓国で500店舗以上を展開しているというエスプレッソカフェの「HOLLYS(ハーリス)」が大阪に進出。これに対し、大阪を中心に関西で約100店舗のカフェを展開するホリーズが、運営する「ホリーズカフェ」と商標などが類似していると訴え、提訴となる構え。

 ●レコードが聴ける、新スタイルカフェ

 カフェ「UNI COFFEE ROASTERY」を展開するGRACEが、東京・港区の「オークウッドホテル&アパートメンツ麻布」に、新スタイルの体験型カフェをオープン。5席の客席にレコードプレイヤーがあり、アナログレコードを聴くことができるなど。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

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