メニュートレンド:フレンチ自販機が出現! 冷蔵で30種類販売

2023.03.06 529号 02面
盛り付けると本格的なフレンチの一皿になる、人気の3品。サラダは鯖と卵の薫製入り、パテや煮込みは食べ応えも十分。※パテの付け合わせなどは商品に含まれません

盛り付けると本格的なフレンチの一皿になる、人気の3品。サラダは鯖と卵の薫製入り、パテや煮込みは食べ応えも十分。※パテの付け合わせなどは商品に含まれません

地下街のゼスト御池に設置した巨大な自動販売機。料理のほかソース類などもあり、1日1回の補充で管理する

地下街のゼスト御池に設置した巨大な自動販売機。料理のほかソース類などもあり、1日1回の補充で管理する

レトルト加工に愛用する、小型高温高圧調理器「達人釜」(パナソニック産機システムズ)

レトルト加工に愛用する、小型高温高圧調理器「達人釜」(パナソニック産機システムズ)

 ●ロス削減目指し商品開発

 コロナ過で多様化する食品の自動販売機。2021年に京都市内に登場したのが、全国的にも珍しい冷蔵のフレンチ自動販売機「THE Chef’s Table」だ。「自宅で作るには手間のかかるフランス料理を、食べたいときに楽しめる」とSNSで話題を呼び、現在では京都市内4ヵ所で好調に稼働中。今後の拡大も予想される注目の販売スタイルである。

 「THE Chef’s Table」は、“おばんざい”をビュッフェで楽しめる人気店「都野菜 賀茂」を手掛けるMAPPY LABOの新業態。同社のセントラルキッチンとして稼働し、デリバリー&ケータリングも担うKITCHEN LABOが運営する。

 「コロナ過で、受注していたホテルの朝食サービスの縮小や店舗営業の制限など、大きな影響を受けました。雇用を守り、われわれの“強み”を生かせることを考えました」と、同社取締役・料理長の佐竹淳さん。新事業は、京都府下の農家から仕入れる新鮮野菜の魅力と、フレンチシェフの佐竹さんの技量を掛け合わせる発想から生まれたという。

 自動販売機では見受けられないフランス料理を商品化。手軽に食べられるように、冷凍ではなく冷蔵で販売することに。メニューは、サラダ(4種450円~)、オードブル(10種390円~)、メイン(10~12種780円~)など、コース仕立ても可能な30種類。おつまみに適した薫製やパテ、煮込み料理が人気という。

 「冷蔵はロスが出やすいのがネック。自社でレトルト釜を所有する利点を生かし、克服していきたい」と佐竹さん。パテや煮込みなどは、真空パックにして小型高温高圧調理器で殺菌してレトルト化。より長い消費期限が可能な商品開発に励んでいる。また、購入前に消費期限がわかる表示を施し、購入意欲を促進させる工夫も考案中とか。

 今後も冷蔵販売にこだわり、フレンチラーメンを軸に“フレンチ定食”を楽しめるという、よりカジュアルなメニュー展開も予定。新機種の導入や設置場所の拡大も計画中で、京都府外への進出も視野に事業拡大を目指したいという。

 ●店舗情報

 「THE Chef’s Table」

 経営=MAPPY LABO/設置場所=KITCHEN LABO店舗前(京都市上京区勘解由小路町148-1)ほか、計4ヵ所/運営開始=2021年5月/1日販売食数=120~150食

 ●愛用食材・資材

 「北海道よつ葉バター(食塩不使用)」よつ葉乳業(北海道河東郡)

 手頃かつ味のよさが決め手

 カヌレなどのデザートやガーリックバター、ソースの味を決めるなどの調理に愛用するのが、食塩不使用タイプの同品。以前は違う商品を利用していたが、製菓の試作で使用しておいしいと感じ、料理でも活用したいと採用を決めたとか。「手頃で使いやすく、かつ味もよい。価格とのバランスも見てこれにしています」と、佐竹料理長は語る。

 規格=450g

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

関連ワード: メニュートレンド