山本純子のスゴイぜ!業務用冷凍食品(66)マルハニチロ「鮮味あら挽きまぐろたたきチューブ」
●独自技術で-18℃流通 素早く鮮やかな赤色に
刺身、寿司の一番人気はまぐろ。鮮やかな赤色、脂がのった部位は美しいピンクです。見てよし、口に含めばとろけるおいしさ。その魚食ルーツをたどれば縄文時代からとのことで、まさに、日本人のDNAに「おいしい」と刷り込まれたような魚です。
当然、よりおいしく、鮮度よく流通し、消費するための工夫がされてきて、近年では養殖まぐろも持続可能な魚食の選択肢として認知されるようになりました。
さて、生鮮流通するまぐろは高嶺の花として、通常まぐろは、超低温(マイナス50℃以下)で保存・流通して品質を保ちます。まぐろ愛が強い日本人の知恵といえるでしょう。通常の冷凍品・冷凍食品の保存温度、マイナス18℃以下では、色合いが損なわれて茶褐色になってしまう(メト化)のです。
超低温を保つには、特別な設備もエネルギーも必要ですので、通常のマイナス18℃流通で賞味期間1年が実現できたなら、さまざまなメリットが生まれます。その技術開発に成功したパイオニアがマルハニチロです。
どのような技術なのかと聞けば、一定の条件で真空状態にして酸化防止剤を使うことで変色しない状態を保ち、解凍・開封後に徐々に発色して鮮やかでつややかな状態になるのだとか。マルハニチロのまぐろたたきは、発売から30年以上、市場での高い評価を得続けてきました。近年、類似商品が少しずつ増えてきた中で、さらに優れた開発商品を、とパイオニアの実力を発揮したのが今春発売の「鮮味あら挽きまぐろたたきチューブ」です。
新商品は、まぐろを大きめにカットした、粒感のよい食べ応えのある、粗びきのまぐろたたきです。自然解凍・流水解凍ですぐ使えるチューブ包装。口溶けのよさとまぐろの粒が輝くようなつや感にこだわっています。そして、従来品が空気にふれてから鮮やかな赤色の発色に約30分かかっていたものを約15分に短縮することに成功しました。
訪日外国人の急増で、本場の和食は大人気。昨今の人手不足を考えて、忙しい調理を少しでも楽にという配慮から生まれた技術の進化に敬服です。
●ここがスゴイ=パイオニアの技術をさらに磨いた!
●商品概要
マルハニチロ「鮮味あら挽きまぐろたたきチューブ」
規格=250g/20袋×2合