惣菜弁当の殿堂(4)おべんとうのヒライ「ちくわサラダ」 ドライバーのハンディーフードから頭角
「ちくわサラダ」は、熊本県を拠点に111店舗を展開する惣菜チェーン「おべんとうのヒライ」の名物アイテム。竹輪の穴にポテトサラダを詰めて揚げた、ユニークな“竹輪天″だ。サクサクの衣、プリプリの竹輪、ホクホクのポテトサラダが三重構造となり、「サクッ!プリッ!ホクッ!」の絶妙な食感が味わえる。誕生は約40年前。大量に作るポテトサラダの活用を目的に創作された。すると、おもにドライバー客のハンディーフードとして人気を呼び、同業他店にも波及。熊本県民のソウルフードとして、観光客も呼び込むご当地名物に台頭した。
●商品発祥:人気の双璧を一つに
誕生は約40年前。当時、ポテサラと竹輪天は、人気商品の双璧だった。半面、大量に作るため販売ロスも避けられず、ロスを削減する汎用策を模索していた。そこで試しに竹輪にポテサラを詰めて揚げたところ意外にも大ヒット。とりわけ、ビニール袋に入れてそのまま食べる、ドライバーのハンディーフードとして人気を呼び、学生や子どものおやつにも広がった。そのため、売り場にはフードパックとビニール袋が設置されている。
●調理概要:具材加熱済みで手軽に調理
作り方は、(1)竹輪1本(約20cm)にはさみで切れ目を入れ、竹輪の穴にポテサラ(60g)を詰める(2)打ち粉を振り、天ぷら衣を付け、170度Cのサラダ油で2分半、揚げる。
堀川昭一企画開発本部長は「薄い衣のサクサク感、竹輪の歯応えとうま味、ポテサラのクリーミー感。個々の持ち味が引き立った三位一体の味わいがポイント」と明かし、「形状にむらがなく、竹輪もポテサラも加熱済みなので、手軽に調理できます」と説く。
キュウリは生のため、本品のポテサラには入ってない。
●販売実績:売上実績2位をキープ
1本売り(150円)と斜め切りのハーフサイズ(90円)があり、平均日販は1本売り換算で30~40本(ハーフだと60~80本)。1本とハーフの販売比率は店舗によって異なる。売上実績では常に2位をキープしている。ちなみに1位は鶏唐揚げ、3位はコロッケ。
レギュラーのポテサラ以外に、カレー、ツナ、パンプキン、高菜、キムチなどの変わり種も期間限定で販売している。
●ポイント:惣菜ならではの商品開発
慣れ親しんだ味、ボリュームがあり安価、手軽に調理できるという「大衆特性」。ありそうでなかった意外性を打ち出した「創造力」。この2点が見事にマッチして、ロングセラー商品に定着した。まさに惣菜ならではの商品開発といえる。「竹輪の穴にポテサラを詰め込む」というアイデアは「熊本名物“辛子レンコン”の食文化から生まれた」ともいわれている。
●食材・資材の決め手
使用食材「キユーピー ヒライ専用調合マヨネーズ」
調味酢の持ち味を引き出す
約20年前からキユーピーマヨネーズを使用。PB化して改良を重ね、約10年前に現在の味が完成した。「下味となる調味酢の持ち味を引き出すようなマヨネーズ。時代に合わせて、あっさりシンプルな味わいに仕上げました(堀川昭一企画開発本部長)とし「とにかくバランスがよい」と太鼓判うぃ押す。
規格=1箱10kg
●会社概要
(株)ヒライホールディングス 本社所在地=熊本市西区春日7-26-70/事業内容=熊本県を拠点に九州北部で展開する惣菜チェーン店。ロードサイドの単独店を主力に、食品スーパーや大規模商業施設にも出店。惣菜111店舗の他、各種外食店も手掛けている。