惣菜弁当の殿堂(29)玉子焼き 赤鬼 とうきょう「赤鬼のりたま弁当」 ワンコインで家庭のおいしさ
◇東京で香川で話題の卵焼き専門店 徹底した原産地表示も特徴
東京・大久保に話題の卵焼き弁当がある。卵料理をメーンに提供する「玉子焼き 赤鬼 とうきょう」の「赤鬼のりたま弁当」だ。卵焼き、海苔おかかご飯の組み合わせで500円というお手ごろ価格で提供。おかずのメーンとなる「赤鬼玉子焼き」は、大東店主の故郷・香川県生まれ。寿司店に勤める大東店主の弟が作る卵焼きをベースに、父が独自性を加味し、父が高松市に卵焼き専門店を出店。それが地元メディアで有名となり、大東店主が調理方法を学び、東京で開業した。
●調理概要:だしを多めに甘さとのバランス図る
使用する卵は、香川県直送。「見た目にも黄色が鮮やかで、ビタミンEが豊富なんです。味も濃くて理想的な卵です」と大東氏は語る。一つの卵焼きに使用するのは卵3個。卵に対し、だしを多めにすることで深い味わいを表現している。焼く際には、火が均一に通るように気を付けつつ焼き上げる。卵焼きと香川県産の特別栽培米コシヒカリのご飯を容器に詰め、ご飯の上に枕崎産鰹節のおかかをのせ、香川県産の焼き海苔をのせる。この際、食べやすいように海苔を三つに切っているのもポイント。最後に、自家製の大根漬けを盛り付け、完成する。
●販売実績:店舗と卸売の両輪で販売
店舗での弁当販売や卵焼きのテークアウトの他に惣菜弁当店への卸売りも行っている。メーンの卵焼きは、枕崎産鰹節と利尻昆布の一番だしをベースに、砂糖と醤油と塩で味付けした「赤鬼玉子焼き」、砂糖を一切使わない「青鬼玉子焼き」、砂糖を和三盆に変更した「赤鬼和三盆玉子焼き」の3種を販売している。これら3種を合わせてテークアウトだけで20本、卸売り分を合わせて50本ほどを焼き上げている。他にも「赤鬼和風おむらいす」などさまざまな卵料理を提供し、「店舗に来店するお客さまはリピーターが多いです」と大東氏が語る通り、地元客の厚い支持を得ている。最近はネットの口コミなどで遠方からの客も増えているという。
●ポイント:国産素材で安心も提供
「赤鬼玉子焼き」は家庭の味に近い手作りならではのおいしさで、弁当としてご飯によく合うような味に仕上げている。また、あらかじめ海苔を3枚に切ってからご飯にのせることで、箸で簡単に分けられるように工夫もされている。「赤鬼和三盆玉子焼き」は、和菓子にも使用される和三盆の程よい甘さが特徴。こちらは、ご飯に合うというよりは単品で食べておいしく作られており、ご飯と合わせたバランスよりも、これ単品で味として完成している。
また、食材は極力国産にこだわり、醤油や塩などの調味料に至るまで、全ての食品の産地表示を行っていることも大きな特徴。「自分が安心して食べられるものを、お客さまにも提供したい」という大東氏の心遣いも、来店客に喜ばれている。
◆店舗概要
「玉子焼き 赤鬼 とうきょう」 所在地=東京都新宿区百人町1-24-8新宿タウンプラザビル102
◆食材の決め手 愛用食材
三谷製糖「和三盆糖」
高松の本格和三盆糖、卵焼きに爽やかな甘さ付加
「赤鬼和三盆玉子焼き」に使用されているのが、三谷製糖の「和三盆糖」だ。香川県で200年以上も、昔ながらの製法を守って作り続けている和三盆糖は、それだけの歴史を経てきた説得力のある味わいを持っている。どうしても通常の卵焼きと比べて価格は上がるが、卵焼きに和三盆を100%使ったことで“グレードの高い卵焼き”という差別化に成功。和菓子だけではなく、卵焼きにも和三盆の上品な甘さがマッチすることを証明した。
規格=500g(常温)