メニュートレンド:すき焼きそば 焼きそばを卵でツルツル 千陽(ちはる)福島店」

2013.10.07 415号 01面
写真手前より反時計回りに、「すき焼きそば」(980円)、「めちゃ甘ミニトマトとおじゃがのベジ豚玉」(980円)、「千陽のまごわやさしいサラダ」(780円)

写真手前より反時計回りに、「すき焼きそば」(980円)、「めちゃ甘ミニトマトとおじゃがのベジ豚玉」(980円)、「千陽のまごわやさしいサラダ」(780円)

 老舗のお好み焼き店と新店がひしめく大阪の中でも、特徴ある店づくりで人気なのが、「千陽(ちはる)」。17年前に、阿倍野区で開業し、昨年は、飲食店の激戦区、福島に進出。看板メニューの「すき焼きそば」(980円)を筆頭に、野菜をたっぷり取り入れたこだわりメニューを提案し、人気上昇中である。

 ●キャベツなし新感覚お好み焼きも人気 地場野菜にこだわりメニュー開発

 “想咲(そうさく)鉄板焼”と称する、千陽の料理。「食材を生産する農家の思い、料理人の思いを咲かせて、お客さまに食べる楽しみを提供したい」と話すのは、オーナーで同店マネジャーとして活動する、板金千嘉子さん。小さい頃に食べたお好み焼きの味を実現しようと、2年間かけて研究したうえで開業したという、探究心旺盛な人である。また、「好きな野菜を専門的に勉強したい」と、4年前に野菜ソムリエの資格を取得。その知識やネットワークを商品開発に生かし、次々と人気メニューを登場させている。

 ほとんどのお客がオーダーするという「すき焼きそば」(980円)は、開業時に、お好み焼きだけではなく、喜んでもらえる鉄板焼きをと開発したもの。具材は、キャベツ、玉ネギに国産牛ばら肉100gと、ボリュームたっぷり。麺にはコシがあるタイプを使用し、自家製のたれで甘辛く味付けしている。卵を付けると、ツルツル食べられる印象で、その食感の楽しさもリピーターを呼ぶ理由である。

 お好み焼きは、「野菜たっぷりでヘルシーに」がコンセプト。キャベツたっぷり、粉は少なめで山芋をプラスし、野菜からとったスープをだしに生地を作っている。さらに、キャベツを使わない、新感覚のお好み焼きも提案。人気は「めちゃ甘ミニトマトとおじゃがのベジ豚玉」(980円)で、糖度8以上のミニトマトと甘味のあるジャガ芋とのコラボが、新しいおいしさを生んでいる。

 そのほか、冬は“なにわの伝統野菜”である田辺大根を、春は八尾の若ゴボウなど、季節ごとに地場野菜をお好み焼きとして紹介。秋から冬には、奈良の椎茸を鉄板焼きで楽しむ、椎茸フェアも実施し、やみつきになるリピーターも多いとか。丁寧に生産された野菜のうま味を、手軽に楽しむことができる点も、同店の魅力である。

 昨年オープンした福島店は、同店の野菜へのこだわりを、よりアピールできる店としてスタート。客層は、近隣のビジネスマンやOLを中心に、女性のグループ客も多い。ベジフルビューティーセルフアドバイザーでもある板金さんは、「千陽のまごわやさしいサラダ」(780円)などのアンチエイジングメニューも提案。今後も、野菜のパワーとおいしさを発信していきたいという。

 ●店舗情報

 「千陽(ちはる)福島店」 所在地=大阪府大阪市福島区福島7丁目9-1/開業=2012年7月/営業時間=午後5時~午前0時、火曜休/坪数・席数=約16坪・20席/1日来店客数=約40人/平均客単価=3500円

 ●愛用資材・食材:「米サラダ油」

 築野食品工業(和歌山市伊都郡)

 同店が、料理全般に使用しているのが、築野(つの)食品の「こめ油」。コメぬかとコメ胚芽から作られ、ビタミンEや天然成分を豊富に含むのが特徴である。揚げ物はカラッと揚がり、あっさりとした味で胸やけしにくく、油酔いや酸化しにくいなどの扱いやすさも魅力。

 規格=16.5kg

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