メニュートレンド:山形ひっぱり混ぜそば 名物料理の進化形が人気に

2014.12.01 429号 01面
締めのご飯付きの「山形ひっぱり混ぜそば」。具材は、納豆、サバ、卵黄、海苔、ネギ、チャーシュー、辛味噌。麺は210gで1.5玉分あり、食べ応えも十分

締めのご飯付きの「山形ひっぱり混ぜそば」。具材は、納豆、サバ、卵黄、海苔、ネギ、チャーシュー、辛味噌。麺は210gで1.5玉分あり、食べ応えも十分

 さまざまなラーメン店が出現している大阪で、唯一の“山形ラーメン”の店として人気を集めているのが、大阪・豊中市にある「烈火」。山形のスタイルを踏襲するだけではなく、名物料理を進化させたユニークなメニューも考案し、大阪に住む山形人のみならず大阪人のリピーターも増やしている。

 ●納豆とサバを豪快に絡めて食す 山形の味ベースに提供

 「ここのラーメンのベースは、山形にあり。現地で育ててもらった味を、大阪で発展させていきたい」と話す浮島栄二店主は、大阪生まれの大阪育ち。縁あって山形で10年間暮らし、ラーメン店を経営していたという。実家の事情で帰阪するにあたり、「大阪でも山形ラーメンを」と決意。2011年に、「烈火」をオープンした。

 山形県は、人口当たりのラーメン店舗数が全国1位のラーメン王国。毎日食べても飽きない、あっさりした味が主流という。同店の「中華そば」(700円)も、鶏がらと牛骨のスープでサッパリした味わい。さらに、カツオ、ソウダ、サンマ、煮干しの、4種の魚介だしをプラスしたメニューなど、5種類のラーメンと3種類のつけ麺を提供し、行列のできる店として人気を博している。

 また、今年4月からは、混ぜそばのメニューも登場。「山形ひっぱり混ぜそば」(850円)は、今では同店の一番人気となっている。同商品は、山形県の名物料理「ひっぱりうどん」をヒントに進化させた、同店オリジナルである。

 温かい麺に、ひき割り納豆やサバのほぐし身、辛味噌、卵黄などをオン。丼の底には、醤油ベースのたれとスープが潜み、全体をしっかりと混ぜ合わせて食べると、辛味噌が程よいアクセントになり箸が進む。さらに、残った具と締めのご飯をミックスして完食という、ボリュームたっぷりの商品だ。

 「関西では納豆は敬遠されるイメージですが、男女ともにリピーターが増加中です。サバは、山形では水煮を使うのが一般的ですが、ウチは薄い塩味を付けて炊いています。生臭さを消すために、たれにも工夫をしています」。実際に、納豆が苦手という人にも好評で、豪快なネバネバの世界に納豆とサバが包み込まれて、違和感なく楽しめる。

 味の柱になる醤油や味噌は、山形時代から使用する商品を愛用。麺にもこだわり、コシのある中太ストレート麺を特注し、混ぜそばとつけ麺には、具材と合うようにそのままで使用し、ラーメンには、手でもんで縮まらせてから活用している。

 「山形には、関西と通じる薄味の食文化があり、ラーメンの奥も深い。ラーメン以外の食べ物も紹介しつつ、ラーメン店舗を展開していきたい」。山形のおいしさを発信する拠点として、今後も成長を目指したいという。

 ●店舗情報

 「烈火」 所在地=大阪府豊中市庄内東町2-2-14/開業=2011年(13年6月、現在地に移転)/営業時間=午前11時30分~午後2時30分、6時~11時。月曜定休/坪数・席数=約15坪・11席/客単価=850円

 ●愛用資材・食材

 「やまりん味噌」 深瀬久米蔵商店(山形市鈴川町)

 山形の味を出すポイント

 同店の味噌を使用する商品で愛用するのが、山形の「やまりん味噌」。米麹の天然醸造で作られる、中辛口の白味噌である。同店では、同商品に、ニンニクと玉ネギ、一味唐辛子をプラスして、インパクトある辛さにアレンジ。山形の味を表現するためには、欠かせない商品となっている。

 規格=10kg(常温)

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