プロの商品開発この食材でこの逸品:キユーピー「ヒアロジュレ」

2008.10.06 348号 24面

 美容と健康は女性集客の重要なキーワード。ここ数年、美肌効果をうたった“コラーゲン”が注目され、さまざまなコラーゲン鍋が居酒屋市場を賑わせてきた。そして今冬、潤った肌を保つ“ヒアルロン酸”がポスト・コラーゲンとして脚光を浴びている。ヒアルロン酸をいち早く業務用食材で商品化したキユーピー(株)の「ヒアロジュレ」と、それを活用してヒアルロン酸ブームを仕掛けている(株)ダイヤモンドダイニングの実用事例を紹介する。

 ヒアルロン酸は、人間の体内に存在する水分保持能力に優れた物質で、潤いのある美肌を維持するのに欠かせないといわれる。女性の認知度は90%以上に達し、無関心な男性をよそに、もはや常識と化している。ここ3年、食用ヒアルロン酸の販売量は年率平均150%の勢いで伸びているという。

 そんな中、キユーピー(株)から高純度ヒアルロン酸を配合したジュレ状の業務用副素材「ヒアロジュレ」(詳細別掲)が新発売され、マルチコンセプト戦略で波にのっている(株)ダイヤモンドダイニング(全65店舗:9月現在)が敏感に目をつけた。

 「ポスト・コラーゲンの替わりになる、玉型コラーゲンのような物質感のある美容素材を探していたのでドンピシャでした」と語るのは、同社第2営業本部統括料理長の大瀬淳也さん。

 最初は上司(もちろん男性)からは大反対されたが、説得して採用。ブームの火付け役を狙って、まずは大瀬さんが統括する東京・渋谷の5店舗で実用化した。冬商戦の試金石として鍋料理のサイドメニュー(トッピング)として打ち出したところ、1ヵ月後には集客数の1~2割から注文される上々の反響を得たという。

 「流行ネタでスタッフのセールストークも弾んでいるようです」と大瀬さん。「レストランサイトの関係者からも、ヒアルロン酸メニューのweb検索が右肩上がりで増えていると聞きます。これからが本番でしょう」と意気込む。

 話題性だけではない。使い勝手のよさも指摘する。

 「コラーゲンはイメージ的に鍋限定の冬商材ですが、ヒアロジュレはデザートやドレッシングにも使えるので、通年商材として便利。汎用力は抜群ですね」と太鼓判を押す。また、「原価的に儲けは出ませんが、話題性があって、お客さまに喜んでいただければ十分。お腹にたまる食べ物でもありませんし、あくまでもサイドアイテムなので、手軽に付加価値アップできることの方が重要です」と言い切る。

 流行先進地帯、渋谷からの発信が全国に波紋を広げるか見物だ。

 ◆食材紹介:キユーピー(株)「ヒアロジュレ」

 高純度食品用ヒアルロン酸を配合したジュレ状副素材。ヒアルロン酸は体内に存在するムコ多糖類の一つ。水分保持能力に優れた物質で、美肌・スキンケア成分としての認知度が高い。年齢を重ねるごとに体内のヒアルロン酸量は減少するため、女性層で摂取願望が広がっている。1袋(400g)当たり400mgのヒアルロン酸を配合。透明な見た目でクセのない味付けのため、どんな料理にもマッチする。加熱すると溶け、冷やすと固まる特徴があり、メニュー開発は自由自在。スイーツ、ドリンク、ドレッシングなどの付加価値アップに最適。使いやすい絞り口付きのパック入り。

 規格=400g×12袋、冷蔵

 ◆もつ鍋・もつ焼 博多もつ美人:「もつ鍋トッピング“博多もつ美人セット”」(100円)

 もつ鍋のトッピングとして「ヒアルロン酸」と「コラーゲン」の2種のジュレをサイドアイテムで提供。ヒアルロン酸とコラーゲンを一緒に食べると、体内吸収を高める相乗効果があるそう

 ○「もつ鍋・もつ焼 博多もつ美人」/東京都渋谷区神南1-19-3 ハイマンテン神南ビル地下1階

 ◆せいろ蒸し・地鶏焼 霧乃個室 蒸し屋清郎:「せいろ蒸し特製たれトッピング“艶小町セット”」(200円)

 せいろ蒸し料理のトッピングとして「ヒアロジュレ」を提供。女性客にみずみずしい潤いの付加価値アップを訴求

 ○「せいろ蒸し・地鶏焼 霧乃個室 蒸し屋清郎」/東京都渋谷区神南1-20-16 高山ランドビル地下1階

 ◆かざがぐるま:「苺とキウイのグラニタ風~美を添えて~」(580円)

 イチゴ、キウイ、食物繊維豊富な寒天、ポリフェノール豊富なブルーベリー、ビタミンCたっぷりのレモンソース。これらに「ヒアロジュレ」をからませて“食べる美を訴求”

 「夜祭個室 かざがぐるま」/東京都渋谷区神南1-19-3 ハイマンテン神南ビル地下1階

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