メニュートレンド:3色3味のネオ火鍋 「蒙古薬膳しゃぶしゃぶ小尾羊 銀座店」
一般的に「火鍋」というと、2つに仕切った鍋に紅白2種類のスープを入れたものをイメージするだろう。だが、それより上手の“ネオ火鍋”が現れた。中国で人気の火鍋チェーン「蒙古薬膳しゃぶしゃぶ小尾羊」の看板料理、3色3味のスープが自慢の「三味薬膳鍋」である。中国国内で700店以上の実績を誇る同チェーンが、ついに日本上陸。1号店(東京都新宿区大久保)を皮切りに積極的な店舗展開を進めており、火鍋の新たな魅力を急速に広めている。
「蒙古薬膳しゃぶしゃぶ小尾羊」の「三味薬膳鍋」は、その名の通り、3色3種類のスープが特徴だ。赤いスープは、カプサイシンが新陳代謝を促し、脂肪燃焼やダイエットに効果的といわれる「麻辣紅湯」(マーラーホンタン)。白いスープは、美肌効果が期待できる「コラーゲン白湯」(パイタン)。そして、やや褐色で透明な「ヘルシー山珍湯」(サンチンタン)は10種類のキノコを使っており、生活習慣病の予防効果があるという。
これらはすべて、「神湯」と呼ばれる薬膳スープがベースとなっている。神湯は、牛の骨髄と鶏から煮出したスープに、カンゾウやオウギなど60種類以上の漢方薬、野草、調味料を季節に合わせて配合されたもの。モンゴル地方の牧畜民に古くから伝わるスープと羊肉の鍋料理をもとに、チベットや漢方の食理論をアレンジしたレシピだ。
具材は牛、豚、羊、鶏などの肉類、エビ、イカ、ホタテなどの海鮮、季節に合わせたさまざまな野菜があり、好みのスープでモンゴル風しゃぶしゃぶを楽しむ。
中でも、コレステロール値を下げ、不飽和脂肪酸も豊富に含まれているとして、注目の食材であるラム肉は、オーストラリア産の生後6~8ヵ月の子羊の肉を指定しているので、肉質は軟らかく、臭みもほとんどなく食べやすい。
火鍋が大衆食として普及している中国では、単品で好みの組み合わせを注文するお客が多いという。だが、まだなじみのない日本では、コースを数種類設定して、火鍋の食べ方を提案している。特に「美肌コース」は、漢方薬とフカヒレコラーゲンによる美容効果が期待できるとあって、女性客から支持を得そうだ。
「鍋以外にも、「スパイシーな『極上ラム肉のスペアリブ』(780円)や『肉入り焼き餅』(580円)など、モンゴル料理を始めとしたオリジナル料理もおすすめです」と、小尾羊ジャパン(株)代表取締役社長の明琳氏。
今後、さらに展開を続け、3年後には日本国内で直営・FC合計100店舗を目指すという。
◆「蒙古薬膳しゃぶしゃぶ小尾羊 銀座店」
経営=小尾羊ジャパン(株)/店舗所在地=東京都中央区銀座8-9-15 ジュエルボックス銀座10階/開業=2008年9月/営業時間=午前11時半~午後11時半/坪数・席数=83坪・90席/客単価=880円(ランチ)、4500円(ディナー)/目標月商=1800万円
●愛用食材:(株)中華・高橋「魚唇」
コラーゲンを食べた満足感 下処理不要ですぐに使える
美容効果が期待できるといわれる「美肌コース」は、既に女性客からの反応が非常によい。このコースの中で「フカヒレコラーゲン」として、冷凍の「魚唇」が1人前約2個提供されている。上質なフカヒレのゼラチン部分を使用したロール状の魚唇は、完全脱臭を施してあるので、解凍後すぐに、下処理など必要なく料理に使うことができる。スープで煮込んでも、溶けずに形が残っているため、「フカヒレ=コラーゲンを食べた」という満足感も得られる。