メニュートレンド:ホット&クールな新スイーツ カラフルワッフル フルフル「石焼ワッフル」

2009.03.02 354号 02面
人気№1の「石焼チョコバナナワッフル」(924円)。写真奥は、ハンバーグや卵と組み合わせた「石焼ロコモコモッフル」(997円)

人気№1の「石焼チョコバナナワッフル」(924円)。写真奥は、ハンバーグや卵と組み合わせた「石焼ロコモコモッフル」(997円)

 「カラフルワッフル フルフル」は、関西の若者ファッションの拠点である大阪・梅田のHEPファイブ7階に、昨年4月オープンしたスイーツ専門店。イチ押しメニュー「石焼ワッフル」が、流行のカギを握るといわれている10代後半~20代前半の女性の間で話題を呼んでいる。「冷たいもの」というイメージが強いスイーツの常識を打ち破る意外性とインパクト、サクサクフワフワの食感など、彼女たちの厳しい目にかなった理由を探ってみた。

 「カラフルワッフル フルフル」があるHEPファイブの「HEP」は、「阪急エンターテイメントパーク」の頭文字をとったもの。出店にあたり、「ワッフルでエンターテインメント性を出すには……」を考えていく中で誕生したのが、熱々に熱した石鍋に焼きたてのワッフルをのせ、生クリーム、果物、アイスクリームなどをトッピングする「石焼ワッフル」だ。ホカホカのワッフルと冷たいアイスが口の中で混じり合い、スーッと溶けていく「ホット&クール」な感触は、頭で想像する以上に新鮮。プレートに盛り付けられたワッフルとは、全く別の味わいである。

 このメニューの最大の特徴は、「石鍋」と「ワッフル」を組み合わせるというユニークな発想だが、それだけが人気の理由ではない。パンケーキと同様にベーキングパウダーで膨らませるアメリカ風ワッフルが多い大阪において、イーストで発酵させる本格的なブリュッセル風ワッフルにこだわり、外はサクサク、中はフワフワの食感を究めた点が一過性ではないヒットにつながっている。「アメリカ風ワッフルを石焼きにすると、どうしてもベタッとしてしまいます。その点当店のワッフルは、石焼きにすることで自慢の食感とおいしさがさらに増すよう工夫しているのです」と語るのは店長の小野宏樹さん。その秘訣は、完成までに約2ヵ月を要した小麦粉、牛乳、卵、イーストなどの配合にある。また、石鍋を熱する火加減と時間も重要。これ以上温度が高いと石鍋に流れ落ちたクリームやソースが焦げてしまうし、低いとテーブルに運んだときのジューという音や香りのシズル感が薄れてしまう。

 9割以上が女性という顧客の反応は、「運ばれてきた瞬間に拍手がわき起こることが多いですね。携帯電話で写メールする光景も毎日あちらこちらで見受けられます」。

 店名からわかるように、「カラフルさ」でもエンターテインメント性を追求している同店。定番のプレーン、チョコ、イチゴのほかにも、色と味にこだわったカラフルワッフルの開発に余念がない。また、もちをワッフルのように焼いたモッフルをカレーやハンバーグと組み合わせた食事メニューも人気。オープンからもうすぐ1年、若い女性が集まるスポットに狙いを定めながら、新たな出店も視野にいれていく計画だ。

 ◆「カラフルワッフル フルフル」/経営=帝塚山クレバー(株)/店舗所在地=大阪市北区角田町5-15 HEPファイブ7階、電話06・6366・3659/開業=2008年4月/営業時間=午前11時~午後10時半、不定休(HEPファイブの定休日に準じる)/席数=56席/客単価=約800円/1日来店客数=平日約180人、土・日約400人/スタッフ=約16人

 ●愛用食材:「ドライイースト」

 「カラフルワッフル フルフル」の自慢であるオリジナルワッフルのサクサクフワフワ感、その食感に欠かせない食材がイーストである。同店が選んだのは、安定感に優れるドライイースト。メニュー開発中にいろいろ試した結果、配合はもちろん、イーストの種類によっても膨らみ具合や食感、味に差が出たという。その中から、もっともイメージに近い仕上がりが得られたフランス製を愛用している。熱によって香りが強調される「石焼ワッフル」の場合、雑臭やイースト臭がないことも特に重要なポイントとなっている。

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