メニュートレンド:マッコリ約20種類、女性客急上昇中「くうじんらいじん」

2010.05.03 371号 02面
オーソドックスな味から、黒豆黒胡麻、みかん、ぶどうなどのフレーバー系まで、幅広くラインアップ。微炭酸の月梅(ウォルメ)のほか、JINROマッコリの人気も上昇中

オーソドックスな味から、黒豆黒胡麻、みかん、ぶどうなどのフレーバー系まで、幅広くラインアップ。微炭酸の月梅(ウォルメ)のほか、JINROマッコリの人気も上昇中

ユニークなマッコリタワーが目印

ユニークなマッコリタワーが目印

 韓国の伝統的な大衆酒・マッコリがブームになるなか、大阪でも提供する店が増加中である。そのなかでも、いち早くマッコリに目をつけて多彩な銘柄を紹介しているのが、西天満にある「くうじんらいじん」。豚肉の焼き物をメーンにした料理とマッコリを武器に、女性客の利用も大幅に伸ばしている。

 店頭にそびえる、“マッコリタワー”が目印の「くうじんらいじん」。大阪のマッコリ好きが集う、穴場的な店である。取り扱うマッコリは約20種類と、大阪でもダントツの品揃え。さまざまな味を楽しめるスポットとして、人気急上昇中である。

 同店の創業は2006年。当時は、「豚の焼肉」「純豆腐火鍋」の各専門店として2店舗で展開し、マッコリは4種類ほどを提供していたとか。その後、2店舗を合体する形で、2008年に現在地に移転。マッコリの品揃えにも力を入れて、ブームになる以前から、新しい商品を次々と探し求めてきたという。

 以前に比べて顕著なのは、客層の変動。男性客が8割以上も占めていた男女比が、6対4ほどに拮抗してきているとか。女性客が増加しているのは、マッコリの持つ飲みやすさはもちろん、同店ならではの工夫もポイントである。

 まず、マッコリ初心者や、味を確かめたいという人のために、「お試し3種セット」800円を用意。好みの3種類をチョイスして、グラスで1杯ずつ試飲できるのは、「飲まず嫌い」の人も引きつけるきっかけになる。また、野菜や果汁などの、ユニークなフレーバーが気軽に試せるのも楽しい。

 さらに、たっぷりと飲みたい人やグループ客に人気なのが、やかんスタイルでの提供。やかんは1700円(750ml)~で、コップ(400円~)で飲むよりお得になる。なかには、女性2人で、ボトル8本ほども飲みほしたというつわものもいたとかで、マッコリにはまる女性は今後も増えそうである。

 料理の看板メニューは、「豚の焼肉」380円~と、自家製豆腐で作る「純豆腐火鍋(スンドゥブ)」780円。なかでも人気なのが、関西では、牛に比べてなじみの薄い豚のホルモンで、「まめ(腎臓)」380円などの、流通量が少ない希少な部位も提供している。

 豚の焼き物は15種類を用意し、ユズコショウ、白味噌ベース、コチュジャンベースの3種のたれと、2種の塩を付けて食べさせるスタイル。そのほか、一品料理は180円からあり、リーズナブルな価格設定も魅力である。

 マッコリは、日本の「どぶろく」のようなもので、保存がしにくい酒。同店では、価格が手ごろで回転よく消費できる銘柄を選びながら、マッコリと豚ホルモンに特化した店づくりを進めていく方針である。

 ●店舗情報

 「くうじんらいじん」店舗所在地=大阪市北区西天満6-8-15、電話06・6316・5555/開業=2006年12月(2008年2月、移転オープン)/営業時間・休日=午後6時~午前4時、原則として日祝休/坪数・席数=約10坪・1階カウンター6席、2階(座敷)約14人/1日平均来店客数=約20人/平均客単価=約3000円/スタッフ=2人

 ●愛用資材・食材:「スンチャンコチュジャン」

 大象(デサン)ジャパン(株)東京都港区新橋3-1-11

 くうじんらいじんでは、マッコリに合うメニューとして、韓国料理も提供しているが、そこで活躍するのが、韓国の唐辛子味噌であるコチュジャンである。同店では、ほかの味とブレンドしやすい甘辛さとして、韓国・スンチャンの伝統的な製法で作られた製品を採用。イカフェやトッポギ、自家製冷や奴などの味付け、肉のつけだれと、幅広いメニューで利用している。

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