トクホ、外食に進出:味覚と健康に満足、ヘルシーリセッタ「ベジチャイナ南国酒家」

2010.07.05 374号 07面
リセッタ使用をアピールするファッショナブルなパンフレットを自社制作し各席に配置

リセッタ使用をアピールするファッショナブルなパンフレットを自社制作し各席に配置

全店採用を視野に期待を込める宮田社長(右)

全店採用を視野に期待を込める宮田社長(右)

 ◆油切れよく素材の持ち味生かす

 中国料理店17店を手がける南国酒家は3月、“野菜と美容”を掲げる「ベジチャイナ南国酒家」の調理用油を白絞油から日清オイリオの「ヘルシーリセッタ」に切り替えた。当初は5月末までの催事扱いだったが、健康機能性に加え、調理上の使い勝手に優れることから、期間を1年間に延長。中国料理の客層を広げる試金石として、全店採用を視野に認識を改めている。

 発案は1年前。国産野菜と健康志向を掲げる南国酒家の企業理念をさらに強調するため、トクホのリセッタに着目した。また、お客にリセッタを実体験してもらうモデルケースとして、日清オイリオにタイアップを提案。両社合意のもと、流行発信地・新宿伊勢丹内のベジチャイナで実現した。

 宮田順次社長は「中国料理は女性客開拓と高齢化対応のため、高カロリーイメージの払拭が急務。野菜の多用と油の差別化がポイント」と指摘し、「リセッタは味覚と健康の満足を両立する即戦力」と期待を込める。

 関係者160人を集めた試食会では、「料理が軽くなった」「安心してたくさん食べられる」など、9割以上から好評を獲得。HP上で募集した一般客対象の試食会でも、定員40人に対し3日間で120人の応募が集まるなど上々の反響を得た。

 また、リセッタには調理メリットも大きい。

 宮田社長は「油切れがよく使いやすい。あっさりした優しい油で素材を包み込む感じで、素材の持ち味が引き立つ」と太鼓判。「デメリットは価格だけ」と言い切る。

 その価格は、従来の白絞油の約4倍。食材総原価の約1%アップに相当する。

 「基礎調味料1品で1%アップは厳しいが、宣伝効果と差別化を考慮すれば妥当」と宮田社長。「1年間で費用対効果を検証し全店採用の道筋をつけたい」と意気込んでいる。

 日清オイリオとの取り組み現状は、パンフレットでの商標使用など一部にとどめているが、今後はリセッタの店内販売に注力するほか、地下食品売場のリセッタ棚に「店内レストラン・ベジチャイナ使用中」というPOPを添付するなど、販促タイアップを展開する考えだ。

 「豚カツ店や天ぷら店は、油の良しあしが評価されるのに、それ以上に油を使う中国料理店は、高カロリーのイメージばかりが先行し、油の品質は見向きもされにくい」と宮田社長。「中国料理は野菜摂取に最適。脂質は三大栄養素のひとつ。この相乗効果を発揮させて、身体に優しい日本人嗜好の中国料理を目指したい」と理想を膨らませている。

 ◆ベジチャイナ南国酒家(経営=南国酒家/所在地=東京都新宿区新宿3-14-1、伊勢丹新宿店7階)

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