業務用加工食品ヒット賞 給食・惣菜部門:ニチレイフーズ「そのまま使える冷凍野菜」シリーズ

2010.09.06 377号 12面

 ○オクラのふわとろ納豆卵がけ

 小鉢やトッピングに最適

 ■作り方

 (1)「オクラ」を自然解凍する。

 (2)卵と納豆、添付のたれをよく混ぜ、「オクラ」にかける。

 (3)食べるときに醤油を少々垂らす。

 ○ブロッコリーと豆と卵のサラダ

 手軽に彩りとボリューム

 ■作り方

 (1)「ブロッコリー」を自然解凍または流水解凍し、水気を切る。

 (2)「ブロッコリー」、ゆで卵、キドニービーンズを盛り合わせ、お好みのドレッシングをかける。

 ○ほうれん草 うどんトッピング

 ロスがなく、手間要らず

 ■作り方

 (1)「ほうれん草」を自然解凍または流水解凍し、水気を軽くしぼる。

 (2)お好みのうどんなどの麺類にそのままトッピングする。

 ○葉だいこんおむすび

 ヘルシー感を簡単に演出

 ■作り方

 (1)「葉だいこん」を自然解凍または流水解凍し水気を切る。

 (2)炊き上がったご飯に「葉だいこん」を加えて混ぜ合わせる。

 (3)味をみながら塩で味を調える。

 ◆品質管理・開発力で独走

 冷食最大手のニチレイフーズが無加熱摂取冷凍食品としての冷凍野菜事業に乗り出したのは、1990年代初め。加熱調理せずに“そのまま使える”自然解凍品の登場で、業界の歴史とも重なる。以来、品質管理の精度を高める取り組みと顧客ニーズに沿った商品開発を続け、2006年秋に「そのまま使える冷凍野菜」というネーミングをつけシリーズ化した。その道のりは平たんではなく、とくに02年の残留農薬問題や08年の一連の中国問題など業界を取り巻く危機的な状況を経験した。にもかかわらず同シリーズは業務筋で着実に需要を積み増し、販売好調だ。

 事業を支えるのは独自の高い品質管理水準と、それを実践する海外パートナー企業との密接な連携。産地の中国、タイなどのパッカー各社とは、長年の取り組みを通じて信頼関係を構築してきた。ニチレイフーズは作物の肥培管理などをマニュアル化し、現地の農場や工場を定期監査する。品質保証部が工場の各ラインごとに衛生管理を評価し、認定を受けたラインでしか生産が許可されない。パッカー側も作物栽培管理の専門指導員を置き、安全性を担保する。

 「そのまま使える冷凍野菜」シリーズは、中国、タイ、台湾で展開するアジア事業における冷凍野菜の売上げ構成比率の36%に達している。海外生産による価格メリットだけでなく、品質と機能性をそなえた付加価値の高さが市場の評価につながっている。

 例えば品質面で最も重要な細菌数のコントロールには、厳格な独自検査基準を設けている。食品衛生法が定める検査溶液は100倍希釈液だが、同社ではさらに厳しい10倍希釈液で製品検査を行い、結果が陰性でなければ出荷しないようルール化している。機能面は各顧客の求める利便性を忠実に反映させるマーケティングに基づく商品開発力が支える。最終ユーザーの業態を細分化したうえで、各アイテムごとに業態別需要とニーズを分析し、すそ野の広い需要を獲得している。

 現在、「そのまま使える 冷凍野菜」シリーズは全12アイテムで構成する。09年度の販売実績は前期比で28%増と大幅な伸びを記録し、今期第1四半期でも前年同期比20%増と好調をキープしている。今後の冷凍野菜事業は「日本を含むアジアのパッカーを中心に、付加価値をつけて売っていく」方針。商社的な機能からかじを切り、おいしい野菜づくりや加工度を高めた商品(日本人に合う調味料や製法のこだわり)をより追求するという。すでに家庭用冷食で好調な調理野菜「お母さんのおかず」シリーズにその戦略が具現化されている。

 ▽アイテム構成=ブロッコリー・カットほうれん草IQF・きざみオクラ・オクラ(ホール)・カットオクラ(斜め切り)・カットいんげん・斜めカットいんげん・白菜・小松菜IQF・葉だいこん・焼なす・揚げなす乱切り

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