近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:永楽食堂「岩槻ねぎ塩焼きそば」

2011.02.07 383号 18面
ネギたっぷりのシンプルで飽きない味わい

ネギたっぷりのシンプルで飽きない味わい

いまや希少の岩槻ねぎと菊池泰輔料理人

いまや希少の岩槻ねぎと菊池泰輔料理人

 さいたま市岩槻区(元・岩槻市)は、400年の歴史を誇る地元名産“岩槻ねぎ”をアピールするため、岩槻ねぎを使ったご当地料理で町おこしに乗り出している。その活動をリードしているのが「永楽食堂」の「岩槻ねぎ塩焼きそば」だ。一昨年に開催された「第4回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」で出場22品の中から準優勝に輝き、岩槻ねぎの知名度を一躍広めた。

 岩槻ねぎは、葉が軟らかく、白身の甘みが強いのが特徴。だが、身質が繊細なため流通に向かず、生産量は地元農家の自炊用など、ごく少量に限られていた。それが準優勝の快挙で生産農家は1軒から6軒に、岩槻ねぎを扱う店も約20軒に増加。岩槻ねぎの復興機運は着々と盛り上がっている。

 永楽食堂の篠永一郎店主は、「ネギは身近すぎて、あまり目立ちませんが、全国各地に個性的な地場ネギがあり、誇るべき郷土料理も多い。岩槻もその一翼として、ネギ料理の活性化に取り組みたいですね」と意気込んでいる。

 ◆営業の概況:空襲と病気を糧に事業拡大 人気不動の地域密着店

 永楽食堂は東武野田線・岩槻駅北口から徒歩5分。1928年創業、現在147坪の中華料理店。創業地は東京・墨田区だが、空襲ですべてを失い、一家で岩槻に移住。6坪の店舗を皮切りに店舗を拡張してきた。2代目の篠永一郎店主は、小学時代から手伝い始め、中学時代に両親が体を壊したため、若くして後を継いだ。

 この苦労が事業拡大の糧となり、地域ボランティアに積極的に取り組むきっかけにもなり、地域密着店としての人気を不動にした。

 岩槻ねぎ塩焼きそばも、そのボランティア活動の一環として着手。いきなりB級グルメコンテストで準優勝したこと、また、高速東北道・岩槻ICから近いこともあり、市内外から集客し、休日は50食、平日は20食ほど売れている。ちなみに一番人気の看板料理は、秘伝のソースが決め手の「チャーハン」(650円)。先代が約80年前、独立前に勤めていた店で開発したもので、休日は軽く100食を超えるという。

 ◆特徴と調理:シンプルなだけにシビア 切り方で4つの味を演出

 岩槻ねぎ塩焼きそばの素材と調理法は、極めてシンプル。だが、それだけに「火加減と調味のタイミングがシビア」(菊池泰輔料理人)だという。

 作り方は、(1)鍋にネギ油を熱し、中華蒸し麺を両面焼き、取り出しておく(2)豚ばら肉を炒め、岩槻ねぎ、キャベツ、ニンジン、キクラゲを加えて炒め、がらスープを少量加える(3)塩、コショウ、うまみ調味料の順に加えて調味する(4)麺を加えて炒め合わせる(5)ごま油で香り付けし、皿に盛る(6)糸唐辛子を添え、黒コショウを軽く振る。

 売り物の岩槻ねぎは2本。軟らかい葉と甘みの強い白身を、それぞれブツ切りと斜め切りにして、4つの味を演出するのがポイントだという。

 ◆発祥と展開:ボランティアから白羽の矢 地産地消のモデル事業へ

 4年前、地域ボランティア団体「ときめき文化の会」で岩槻ねぎの復興事業が持ち上がり、具体化に向け団体の発足人である永楽食堂の篠永店主に白羽の矢が立った。快諾した篠永店主は早速、万人に親しまれる焼きそばでの活用を提案。矢継ぎ早に埼玉B級ご当地グルメ王決定戦に出場し準優勝を獲得。その功績により一昨年、地産地消を掲げる「さいたま市ブランド構築戦略提案型モデル事業」に採択され、現在の町おこし事業にいたっている。

 ●永楽食堂

 所在地=さいたま市岩槻区西町1-4-7/営業時間=午前11時~翌午前5時(休日は翌午前3時)、無休

 ◆エバラで再現!模擬レシピ

 「厨房応援団 焼肉のたれ塩味」を使ってやってみよう!

 ●作り方

 豚ばら肉を炒め、長ネギ、キャベツ、ニンジン、キクラゲを加えて炒め、ほぐした焼きそば麺を加えて炒め、「厨房応援団 焼肉のたれ塩味」を30ml加えて炒め合わせる。最後にがらスープ(または水)を少量加え、麺がサラサラになるまで炒める。

 ●使用食材:「厨房応援団 焼肉のたれ塩味」 フライパン調理に適した商品設計

 平釜塩100%をベースに、ごま油とネギ油を加えてまろやかに、さらにニンニクのうまみとブラックペッパーの辛みを程よくきかせた焼き肉用調味料。もみ込みや、からめ焼き用として使用。ご飯や麺類との相性もよく、塩焼きそばやレタス炒飯などのフライパン調理にも適した品質に仕上げている。

 規格=ボトル1リットル

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