メニュートレンド:モチッとさらっと新食感、大福茶漬け 「飯場 本店」

2011.03.07 384号 02面
大福の中身は、餅米と名古屋コーチンの味噌つくね。ぶぶあられと三ツ葉に、熱々の一番だしをかける。餅のモチモチ感と、茶漬けのサラサラ感が楽しめ、ユニークでありながら上品な味わい

大福の中身は、餅米と名古屋コーチンの味噌つくね。ぶぶあられと三ツ葉に、熱々の一番だしをかける。餅のモチモチ感と、茶漬けのサラサラ感が楽しめ、ユニークでありながら上品な味わい

栄エリアでも最も飲食店の多い錦3丁目にある

栄エリアでも最も飲食店の多い錦3丁目にある

 名古屋を代表する繁華街、栄エリアにある「飯場本店」。同店の三本柱である串揚げ・鶏ちゃん焼き・鮮魚にあわせて、近年伸びているのが「名古屋めし」である。その中でも、高い支持を得ているのが「大福茶漬け」だ。味噌で味付けした名古屋コーチンのつくねを餅米でくるみ、さらに大福の皮で包んだものを、だし汁でいただく。大福のモチモチ感と、お茶漬けのサラサラ感が味わえる個性的なメニューである。店舗でのお土産と通信販売もしており、回線がパンクしたこともある人気ぶりを誇っている。

 大福茶漬けなる商品が、名古屋で話題を呼んでいる。「3~4年前からブームに火がついたのが、ずっと続いており、日増しに増えている状態です」(飯場本店/料理長・長谷川司氏)。

 大福茶漬けだからといって、中にあんこが入っているわけではない。大福は3層になっており、中心に八丁味噌で味付けをしたつくね、その周りを炊いた餅米でくるみ、それをさらに大福の皮で包んだ。熱々の一番だしをかけていただく。

 レンゲですくうと、始めはモチッとした大福の皮、その次にサラサラと餅米が来て、最後に赤味噌の風味が効いたつくねが出てくる。1日当たり、平日で10食以上、週末は20~30食、1ヵ月で600は超える人気ぶりである。男女比は、6対4くらいで、女性からの注文が多い。

 もともとメニュー化されたのは約10年前。地元を意識した商品を考えていたとき、ある飲食店雑誌の企画でプロの料理コンテストがあり、それに応募してグランプリを受賞。しかし、「そのころは、1日5食出ればいい方でした」(同氏)。

 ところが、2つの時代的背景もあって、大福茶漬けが評判の料理となる。1つは、愛知万博などをきっかけに、味噌煮込みうどんやひつまぶし、手羽先唐揚げ、味噌カツなど中部圏発祥や独自に発展した料理である名古屋めしに対する関心が高まったこと。そして、もう1つが、ここ数年のB級グルメブームである。これらによって、メディアに取り上げられることも多く、注目を集める要因となった。

 2008年から、国産ウナギを使用したうなぎ大福茶漬けもメニュー化(780円)。味噌つくねの代わりにウナギを使用し、餅米には独自のウナギのたれをまぶした。また、持ち帰り用の大福茶漬け2個入り(冷凍)は、紅白のものもあり、お土産だけでなく、結婚式の引き出物に使われたこともあるという。サプライズ感のあるオリジナルメニューをこれからも増やしていきたいとしている。

 ◆店舗情報

 「飯場(はんば) 本店」 店舗所在地=愛知県名古屋市中区錦3-19-8、電話052・953・8528/経営=(株)かぶらやグループ/開業=1992年/営業時間=午後5時~翌4時、日・祝午後5時~翌午前1時、不定休/坪数・席数=約76坪・120席/平均客単価=4000円

 ◆愛用資材・食材

 (株)まるや八丁味噌「赤だし」

 (愛知県岡崎市八帖町往還通52番地)

 大福茶漬けのあんの役割をしているのが、味噌つくね。この味噌つくねは、名古屋コーチンのミンチとまるや八丁味噌の「赤だし」で作られており、名古屋らしいおいしさを表現している。味噌のコクと酸味が、名古屋コーチンのおいしさを引き立て、お茶漬けにインパクトを与える。同品は、店がオープンしたころから使われており、どて煮や味噌串カツなどの料理にも使用している。同店の名古屋めしには欠かせない調味料となっている。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

関連ワード: メニュートレンド