低コストにこだわる必勝居酒屋メニュー(その48)鶏もも肉

2011.05.02 386号 15面
「鶏のもも肉のコチュジャンソース焼き」

「鶏のもも肉のコチュジャンソース焼き」

「若鶏のガーリックハーブ焼き」

「若鶏のガーリックハーブ焼き」

 ●ブロイラーの調理には工夫を 相場落ち着き低価格志向にマッチ 若者や女性には意外性でプッシュ

 鶏肉相場はひところの高値上がりの時期を脱し、再び低原価食材として利用しやすくなってきた。輸入物ならば、たっぷりのボリュームで提供しても原価的には楽だし、この低価格志向の風潮のなかでは、より安い売価での販売を考えることもできる。

 ただ、いわゆるブロイラーは味に深みがないうえに、食感も頼りなく、鶏肉としては食べやすさはあるもののおいしさは不足する。最もポピュラーな焼き物にしても、シンプルな味付けよりもやや強め、濃いめの調味の方が喜ばれるし、肉の味もカバーできる。また、食感を増すために、表面を意識的に強く焼き付けたり、煮込み系ならば煮込み時間を短めにし、より食感を残す手法もよい。

 つまみ系では、焼き鶏や唐揚げが圧倒的に人気だが、一方ではエスニック風の料理やイタリアン感覚のメニューにも人気が集まりつつある。

 ポピュラーメニューの強さは言うまでもないが、若者客や女性客には新しい味わいの料理や意外性のあるスタイルの料理を求める傾向も強い。パンチのある辛みやハーブの香りを強調したり、チーズ類と組み合わせてリッチな味わいにするなど、より個性的で付加価値の高い商品を作りたい。ありふれた食材を意外性のある仕立てで売り込もう。

 ◆「鶏のもも肉のコチュジャンソース焼き」

 人気のエスニック風アレンジ

 ■参考原価=122円

 ■使用食材(1人前)

 鶏もも肉(180g)おろしニンニク(4g)おろしショウガ(2g)万能ネギ(刻み3g)レモンスライス(1枚)A(コチュジャン30g、日本酒15ml、砂糖3g、水30ml、ごま油5g)サラダ油(3g)

 ■調理方法

 (1)Aを混ぜておく。

 (2)鶏もも肉にサラダ油を塗ってあぶり焼きにする。

 (3)サラダ油でおろしニンニクとおろしショウガを炒め、(1)のたれを加えて軽く煮る。

 (4)万能ネギを散らし、レモンスライスを添える。

 ■メニュー開発のコンセプト

 あぶり焼きにした鶏肉にコチュジャンをベースにした香りのよいたれをかけ、ピリ辛味に仕立てたアルコールにお薦めのボリューム。

 ■応用のヒント

 刻んだキムチをたれに加えてもおいしい。

 ◇「若鶏のガーリックハーブ焼き」

 パンチある香りを付加

 ■参考原価=106円

 ■使用食材(1人前)

 鶏もも肉(120g)ニンニク(6g)玉ネギ(スライス30g)赤パプリカ(櫛型16g)レモンスライス(1枚)ドライバジル(少々)パセリ(みじん少々)大葉(みじん2枚分)チキンブイヨンの素(2g)塩・コショウ(少々)オリーブ油(10g)

 ■調理方法

 (1)鶏もも肉を一口大に切り、チキンブイヨンの素とコショウをからめる。

 (2)オリーブ油でニンニクを炒め、香りが出たら鶏もも肉を入れて焼く。

 (3)赤パプリカを加えて一緒に焼く。

 (4)塩で調味し、ドライバジル、パセリ、大葉を加えて混ぜる。

 (5)鉄皿に玉ネギを敷き、炒めたものをのせて加熱する。

 (6)赤パプリカ、レモンスライスを添える。

 ■メニュー開発のコンセプト

 カリッと香ばしく揚げた鶏肉にニンニクとバジル、大葉などの香りがマッチした、イタリアンイメージの手軽な鶏肉メニュー。

 ■応用のヒント

 松の実やパルミジャーノを加えると、よりイタリアンな風味が強くなる。

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