近代メニュー革新!繁盛レシピ研究所:札幌グランドホテル ビッグジョッキ「ラーメンサラダ」
「ラーメンサラダ」、通商“ラーサラ”は、札幌市内の多くの居酒屋が定番メニュー化している新興ご当地料理。発祥は1985年。札幌グランドホテルのビアレストラン「ビッグジョッキ」が「女性向けラーメン」として開発したのだが、意外にも男性ビジネス客から人気を集め、ランチメニューから「皆でシェアする酒場料理」に発展した。
一見すると「野菜たっぷり冷やし中華?」と思われるが、それは大間違いだ。ラーサラの決め手は中華麺と絡ませる「中華風とフレンチ風のミックスドレッシング」にある。この絶妙なドレッシングこそ、ラーサラがご当地料理の地位を築いたゆえんだ。
発祥店ビッグジョッキの元祖ラーメンサラダを紹介する。
◆発祥と展開:火付け役は男性ビジネスマン 客再燃契機にラーサラをブランド化
ラーメンブーム以前の1985年、まだ、女性が気軽にラーメン店に入れない時代、佐藤保料理長(当時)が「女性が気軽に注文できるメニュー」として打ち出した。すると、意外にも近隣の男性会社員から圧倒的に支持され、ランチはもとより酒のつまみとしての注文が急増。「日販100食以上が普通」(浅野料理長)という大ヒットとなった。ブーム沈静後も日販50食以上をキープし看板料理に定着した。
3年前のテレビ番組「秘密のケンミンSHOW」などで取り上げられると、再燃して日販100食以上に復活。最近は落ち着いて半減したが、再燃を契機に同店ブランドのドレッシングを小売り商品化、ギフト化するなどして、ラーサラの認知度を全国に広げている。
◆特徴と調理:中華とフレンチを2対1でブレンド 後引くピクルスの酸味
ラーサラの決め手は中華麺に絡ませる特性ドレッシング。醤油&ごま油ベースの中華ドレッシング、マヨネーズ&サラダ油ベースのフレンチドレッシングを、2対1でブレンドしたものだ。店内手づくりで分離しやすいため、一品一品の注文に応じて、直前にブレンドしている。
作り方は、(1)ゆでた中華麺(太縮れ生120g)にドレッシング100mlをよく絡めて皿に盛る(2)レタス、トマト、水菜、ピクルス、ボイルしたエビとムール貝をトッピングし、レッドキャベツ、ニンジンをあしらう(3)中華ドレッシングとフレンチドレッシングを個々に上がけする。
浅野聡調理長は調理のポイントについて「ドレッシングが分離しないよう、ゆでた中華麺を冷水でしっかり締めて、水気を絞り切ること」とし、水気を絞り切ると麺が硬くなってしまうため、「中華麺(太麺)のゆで時間は普通より1分長い4分にして、コシの強さを調整しています」と説く。
また、「ピクルスの酸味も重要。これで口の中がスッキリとリセットされます」と言う。
◆営業の概況:ランチ単品、ディナーコースともに好調 繁忙日は日販100食以上に
ビッグジョッキは、札幌グランドホテル内のビアレストラン。札幌駅から徒歩5分ほどのビジネス街に立地し、客層は男性ビジネスマンの常連客が主力だが、ラーサラ目当ての観光客も多い。
ラーサラの日販は平日50食前後。それらはランチタイムの単品注文が大半だが、ディナーコースにはすべてラーサラがセットされているので、実際の日販は60~70食。観光シーズンや宴会予約が多い繁忙日だと80~100食に達するという。単品注文の男女比は7対3で男性が多い。
●店舗情報
札幌グランドホテル「ビッグジョッキ」 所在地=札幌市中央区北1条西4丁目/営業時間=午前11時半~午後2時(LO)、午後5時~9時半(同)、無休/席数=140席
◆エバラで再現!模擬レシピ 「冷し担々麺スープ」を使ってやってみよう!
●作り方
冷し担々麺スープと水を3対2の比率で混ぜ合わせ、ドレッシングの代用品とする。あえる分量は100ml、上かけの分量は50mlが基本だが、好みで調整する。好みで酢を加えると清涼感が引き立つ。
●使用食材
「冷し担々麺スープ」 コクと厚みの味わいが自慢
練りごまをたっぷり使用し、さらにアーモンドを加えた、濃厚感が自慢の冷し担々麺スープ。あっさりとした味にごまのコクが引き立ち、程よい甘さと清涼感のある酸味が後を引く。冷しで食べても厚みがある味わいが大人気。冷やし麺での基本の使い方は、同品1に対して冷水1。1本で29~36人前が目安。
規格=ボトル1,450g