業務用加工食品ヒット賞 洋食部門:ハウス食品「ハウス欧風カレーフレーク」
◆上質感のコクと味わい
ハウス食品の「欧風カレーフレーク」は、欧風料理の味のベースとなるビーフやチキンのうまみと、乳製品のコクを生かして仕上げた中辛の欧風カレー。クミンやカルダモンなどのスパイスや香味野菜で、味の深みが増している。
1998年9月の発売以降、ホテルやレストランなどで着実にユーザーを拡大している。とくに直近の5年間では若い女性や中高年層も満足できる上質感のある商品コンセプトが受容され、約2.5倍と成長を続けている。「欧風カレーフレーク」の発売以前の同社の業務用カレーは、家庭用で絶大な支持を集める「バーモント」「ジャワ」などのブランドを用いた業務用商品で、学校給食などのルートで拡大を図ってきた。ホテルやレストランなど外食関連での市場開拓を狙うべく、「欧風カレーフレーク」は高級志向かつ汎用性が高い商品として開発された。同社はカレーやシチュー、ハヤシライスなど洋風メニューを家庭で手軽においしく食べられる商品を数多く提供してきた。このため洋風メニューへの技術の蓄積は深く、この点も「欧風カレーフレーク」の開発に生かされている。
同品はビーフなどのうまみ、乳製品のまろやかさに、ヨーロッパ各地の西洋料理のソースの調理法を生かし、スパイスや香味野菜の焙煎にまでこだわった。カレーパウダー、オニオンは高温焙煎で香味を出し、加熱しすぎるとダメージが出るジンジャーなどの野菜は、加熱しすぎずに香りを出すなどの工夫がなされている。
「欧風カレーフレーク」は同社フードサービス事業部の今年度の重点販促商品に指定されている。試供品の提供により、そのおいしさ、アレンジしやすさを試してもらうことや、メニューレシピを掲載した小冊子の配布などでさらなる拡大を狙う。
これまでの実績からも、実際に食してもらうことにより商品価値への理解は格段に進むとのことで、現場の人々へのアナウンスを増やして支持を広げていく。またカレーのトップメーカーとしてカレーのトレンドを追求し、キーマカレーや今年の流行が予測されるバターチキンカレーなどを展開し、業務用カレー市場の成長に貢献する。
業務用カレー市場は、店舗でベースの味を一度決めてしまうと、その味が店の味となるため、なかなか別の商品に変えにくいという特殊な市場だ。このため、特徴を出しつつもある程度の汎用性を維持しなければ市場では受け入れられにくい。同社の「欧風カレーフレーク」は、欧風料理ベースの奥深いコクと味わいを訴求しつつ、アレンジしやすさをも兼ね備えた高級志向かつ利便性を併せ持った商品といえる。
●規格=1kg
◆バターチキンカレー
作り方/(1)バターで玉ネギを炒め、水とトマトピューレを加えて煮る。(2)「欧風カレーフレーク」を加える。(3)焼いたタンドリーチキン(焼き汁ごと)とカシューナツのペーストを加え、弱火で煮込む。(4)生クリームを加えて一煮立ちさせる。
◆欧風カレー
作り方(1)サラダ油で、玉ネギとニンジンを炒め、牛肉を加えてさらに炒める。(2)水を入れて煮る。(3)いったん火を止め、「欧風カレーフレーク」を加えてよく混ぜ込み、再び弱火で煮込む。(4)生クリーム、上白糖、牛乳、無塩バターを加え、味がなじむまで煮込む。
◆彩り野菜の薬膳カレー
作り方/(1)玉ネギ、ニンジン、鶏肉をソテーする。(2)「カレーパウダー特製」を入れる。(3)戻した干しエビを汁ごと、八角茴香、コリアンダー、水を加えて煮る。(4)火を止め、八角茴香を取り出し、「欧風カレーフレーク」を加える。(5)五穀米、素揚げした野菜とともに器に盛り、金針菜、クコの実を飾る。
◆欧風カレーのドリア
作り方/(1)ニンジン、セロリ、合いびき肉を炒め、「特製カレーパウダー」を加える。(2)水、「冷凍ソテーオニオン」、ダイストマトを入れて煮込む。(3)バター、ビーフブイヨン、生クリームを加える。(4)火を止めて「欧風カレーフレーク」を入れ、弱火で煮込む。(5)ターメリックライスにベシャメルソース、(4)、チーズ、オリーブ油をかけて焼く。