メニュートレンド:「酵素の力」で若く美しく 「ローフード&ベジカフェ オルオル」
ローフードはハリウッド女優をはじめとする欧米セレブの間で、2~3年前から流行している食スタイルである。ニューヨークやロサンゼルスには専門レストランがいくつも登場しており、書店にはレシピ本が並ぶ。日本でもファッション誌などで取り上げられる機会が増えてきた矢先の今年4月、大阪・道頓堀にローフード専門店「オルオル」がオープン。美容や健康に関心が高い女性が遠方からも訪れている。
◆欧米セレブが認めた「ローフード」
ローフードの「ロー」は英語の「RAW(生の)」で、熱を加えていない野菜や果物、種子などの植物性食品を主体とする料理を指す。そして全食事の60%以上をローフードにする食生活を、一般的にローフディズムという。
生で食べる理由は、「生きた酵素」やビタミン、ミネラルを効率よく摂取するため。酵素は消化や代謝に関わる人間に不可欠なものだが、48度Cを超えると破壊される。よって加熱が必要な場合も48度C以下を厳守する。
オルオルのオーナー上月あかねさんは、1年ほど前に医師の薦めでローフディズムを始めた。年齢とともに減少する酵素を食べ物で補うことは、代謝を促すことで血行、免疫、細胞再生、デトックスなどを高め、病気の予防やダイエット、アンチエイジングの効果が期待できる。実際、3ヵ月後には便秘や冷え性、花粉症が大幅に改善、心身ともに元気になっていく自身を実感した。そこでローフードを本格的に学びマイスターの資格を取得、多くの人に伝えるためカフェをオープンさせた。
ローフードの調理で重要なのは、正しい知識に基づいた下ごしらえだという。たとえばナツ類は8時間以上水につけて皮に含まれる酵素抑制物質を取り除かなければ、せっかくの酵素を身体に取り込めない。野菜に関しても、酵素やビタミン、ミネラルを守りながらアクを除くなど、種類ごとに適切な取り扱いが不可欠だ。また、焼く、煮る、揚げるといった調理法による変化を出せない分、味付けを単調にしないためにはドレッシングや漬け汁の豊富なバリエーションが求められる。オルオルではそのドレッシングや漬け汁に欠かせないオイルに亜麻の実を低温で搾った亜麻仁油(フラックスシードオイル)を使用するなど、調味料に関しても身体によいものを厳選している。
さらに、“初心者にもおいしいローフード”にこだわる上月さん。生カカオのパウダーを使ってチョコレートムースさながらのスイーツレシピを開発したり、野菜と果物をミキサーにかけてつくるグリーンスムージもまずは果物を多めにするなど、さまざまな工夫を凝らしている。現在、ローフードの理論が学べる教室も開催。カフェを起点に、ローフディズムの輪をさらに広げていきたいとしている。
◆店舗情報
「ローフード&ベジカフェ ol’uol’(オルオル)」 所在地=大阪府大阪市中央区道頓堀1-3-12、2F、電話080・3112・4918/開業=2011年4月/営業時間=月・水・金曜は午前11時~午後3時、火・土曜は予約制、木・日定休/坪数・席数=約15坪・16席/スタッフ=1人
◆愛用食材
「亜麻仁油(フラックスシードオイル)」
低温搾取のローオイル
アメリカ政府有機農法認証の亜麻の実から、約30度Cの低温で丁寧に搾り取ったオメガニュートリション社(カナダ)の亜麻仁油。不足しがちな必須脂肪酸オメガ3を大量に含んでいるのが特徴で、魚油に多いとされているEPAやDHAも補える。熱によって成分が変わるため加熱調理には不向きな亜麻仁油は、ローフードにぴったり。ナツのような香りと軽い味わいも、野菜や果物に合う。