食品業界人がうなるラーメン:福しん「おともラーメン」 癒やし系ネーミングでさりげないプラスワン

2011.11.07 392号 09面

 新宿・池袋を拠点にチェーン展開する「福しん」(40店舗)に「おともラーメン」(100円)という名前のミニラーメンがある。半分量のラーメンにモヤシとネギをトッピングしただけのシンプルメニューだが、濃い味のコッテリ系が多い昨今、あっさりと飽きのこない味が気に入って、「福しん」に行くと100%、この「おともラーメン」を注文している。

 「おともラーメン」は単品で販売しているラーメンではない。定食類に100円をプラスすると、スープがミニラーメンにバージョンアップするシステムのことだ。メーン料理にお供するのが役目なので、麺が少なく立派な具が入っていないのは当然で、むしろありがたい。とはいえたったの100円で湯飲みサイズのオマケスープがハーフサイズのモヤシラーメンに替わるのは、麦茶が生ビールに替わるのに匹敵するほどコストパフォーマンスが高い。そのため派手なセールスPOPがなくても多くのお客が自然に注文している。

 ミニラーメンをセットにしている店はたくさんあるが、「おともラーメン」という友達のように親しみやすい名前を付けている店は少なく、この癒やし系のネーミングがさりげなくプラスワンを促しているようにも見受けられる。

 ◆(株)福しん営業企画課・有本雅人氏コメント

 5年前にスタート。最初は150円を想定しましたが、インパクトを優先して100円ポッキリに。常連客が多い店ほど注文率が高いですね。定食・飯類のお客さまの4人に1人が注文されています。いまや福しん名物の一翼ですね。

 ◆推薦者 谷口正俊(たにぐち・まさとし)=(株)かいエンタープライズ代表取締役社長。1956年生まれ。立命館大学経済学部卒業後、(株)チェポ(現・ピーターパンコモコ)入社。和風FF「一口茶屋」の全国展開を指揮。40歳で独立。自ら「立ち呑み龍馬」など8店舗を経営するほか、コンサルタントとして活躍。「理論より実践、システムよりマインド」がモットー。

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