お客に言えない業務用調味料マル秘ブレンドテクニック:焼肉のたれ・塩味

2012.04.02 397号 09面
「イカとニラの塩焼きそば」

「イカとニラの塩焼きそば」

 ●他の調味料となじみがよい塩味 炒め物に絶好

 焼肉のたれというネーミングから、特定業種だけで使用されるケースがほとんどだが、塩味タイプのものは、きわめて便利な調味料として活用できる。メーカーによりクセの強さや味の傾向は異なるものの、いずれも塩味を主体とした調味をする際には幅広い料理に応用できる。特に炒め物系料理には絶好で、肉や魚介、野菜類など、どの素材とも相性がよい。塩味ベースであるため他の調味料とのなじみもよく、手軽にオリジナルな味づくりができる。

 ◆この調味料とまぜてみよう!

 ●カレー粉

 炒め物系の料理、特に肉類の炒め物に向くのがカレー粉とのブレンド。塩だれに対して10%ほどのカレー粉を加えるとよい。カレー粉を油で炒め、そこへたれを加える形にすると風味が引き立つ。麺類の調味にもピッタリ。

 ●オリーブ油

 塩だれとバージンオリーブ油をまぜると、独特のうま味と深みのある味わいのソースができる。ホタテやタコ、イカなどのカルパッチョ風料理やサラダソースとしても絶妙。ブレンド割合は1対1から好みでいろいろに。

 ●トマトピューレ

 トマトピューレとのブレンドはフライ向けソースにピッタリの味わいになる。うちでも魚フライやチキンカツなどの比較的淡泊な味の素材のフライに向く。1対1のブレンドを基準に、好みで少量の砂糖を加えるのもよい。

 ●芝麻醤

 個性的味わいのつけだれとしてお薦めなのが、芝麻醤とのブレンド。本来の焼肉のたれとしてもよいが、特によくマッチするのが、豚肉料理。あぶり焼き、ロースト、蒸し物などさまざまな調理法に向く。鍋のつけだれにもよい。

 ◆料理事例

 ブレンド比率=焼肉のたれ・塩味5:マヨネーズ1

 イカとニラの塩焼きそば

 細切りにしたイカとニラ、ニンジン、玉ネギなどを具材にした、つまみ向き焼きそば。味付けは焼肉のたれ塩味を5に対して、マヨネーズを1の割合で使用。マヨネーズの脂分がコクとなり、マイルドな塩味に仕上がっている。

 ●プロフィール

 押野見喜八郎(おしのみ・きはちろう) FSプランニング代表。1946年千葉県生まれ。東京ヒルトンホテルを経て外食マーチャンダイザーに転身。多数の外食専門校で活躍するほか、外食企業の商品開発、食品企業の業務用食材開発を手掛けるなど、わが国のメニュー政策指導の第一人者として知られる。「外食新メニュー実用百科」(日本食糧新聞社)など著書多数。

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