メニュートレンド:うどんをイメチェン! 「ジャパゲッティランチ」
大阪・淀屋橋は、関西を代表するオフィス街の一つ。その一角に昨年7月、体にやさしい飲み物と料理を提供するカフェ「tsuru(つる)」がオープンした。イチ押しメニューは、うどんをカフェスタイルに仕上げた「ジャパゲッティ」。単にうどんをスパゲティ風に調理しただけではないオリジナルの魅力が、健康やスタイルを気にしながらも麺類に目のないOLやサラリーマンの人気を集めている。
◆健康志向の麺好きに好評
「カフェ」と「うどん」。普通に考えると不釣り合いなこの2つを違和感なく結び付けることで、個性化を図っているtsuru。店主の大島千代子さんによると、以前から「メタボや栄養バランスは気になるけど、うどんなどの麺類が食べたいというお客さんが多い」ことを実感していたそうだ。とはいえ、オーガニックコーヒーや無添加のパンなど、「体にやさしい」をコンセプトにするカフェで普通のうどんを出すわけにはいかない。そこで着目したのが、個人的に愛用していたモロヘイヤを練り込んだうどんだった。
製麺会社に問い合わせたところ、要望に沿った素材や打ち方で、小ロットからオリジナルうどんが作れるとのこと。さっそく試作を開始し、健康素材を練り込んだ「黒豆うどん」「柚子うどん」「よもぎうどん」を誕生させた。
tsuruでは、これらのオリジナルうどんをスパゲティ風に調理。カフェのイメージに合わせるのもさることながら、「一般的なメニューでは、しょせんうどん屋さんに勝てない」と考えたためだ。うどんメニューは潔くジャパゲッティ1本に絞り、麺とソースを日替わりにすることでバラエティー感を演出。ソースが絡みやすい細さや生パスタのようなモチモチ感など、うどんそのものについてもジャパゲッティに焦点を合わせた風味と食感を追求している。
調理のポイントは、麺とソースの相性にあるという。ソースはボロネーゼ系、トマト系、ホワイト系を柱に、季節によって異なる具材などに合わせてフレキシブルなアレンジをプラス。中でも難しいのは柚子うどんで、ソースにも酸味のある食材を取り入れるなど、ユズの風味とケンカしない工夫を施している。逆に多彩なソースに合わせやすいのが黒豆うどん。よもぎうどんは目でも楽しめるよう、緑色が映えるホワイト系ソースを用いることが多い。
独特の味と香りを楽しみながら体によい成分も補えるジャパゲッティのファン層は、狙い通り女性を中心にメタボが気になる中高年男性にも拡大。糖分と油分を大幅に抑えた栄養士の手作りスイーツや、なかなかお目にかかれないオーガニックビールなども好評だ。
●店舗情報
「cafe tsuru」 所在地=大阪府大阪市中央区道修町3-3-10 大阪屋道修町ビル1階/開業=2011年7月/営業時間=午前11時~午後8時、日・祝休/坪数・席数=約8坪・10席/1日来店客数=約30人/スタッフ=1人
●愛用資材・食材
「ヘルシーうどん(半生麺)」 cafe tsuru(大阪府大阪市)販売
国産小麦粉100%、添加物ゼロの生地をベースに、箕面産のユズを皮ごと練り込んだ「柚子うどん」、丹波篠山産の黒豆を皮ごと練り込んだ「黒豆うどん」、ヨモギを練り込んだ「よもぎうどん」(写真手前から)。兵庫県の老舗の製麺会社によるtsuruオリジナルのうどんは、インターネット販売も行っている。ざる、かけ、釜揚げなどでもおいしい他、半生のまま多めの油でカリッと炒めるとビールのつまみにもいける。
規格=200g