惣菜弁当の殿堂(16)手作り元気弁当「辛ネギチャーシュー丼」 ラーメン店に弁当店を併設
東京・箱崎の「手作り元気弁当」は、「喜多方ラーメン 蔵」に併設された弁当店。1985年の開業当初はラーメン店のみだったが、「弁当が欲しい」という客の要望を受けて、まもなく弁当店を併設した。看板メニューはボリューム満点の「辛ネギチャーシュー丼」と、ラーメン店ならではの「醤油スープ」と「豚骨スープ」。“警察官ご用達”の名物セットとして大人気だ。
●調理概要:ホリューム自慢で手抜きなし!
「辛ネギチャーシュー丼」は、とにかくボリュームが自慢。白飯は通常380g、大盛り500g(追加無料)。これに自家製チャーシューと辛ネギがトッピングされる。
「醤油スープ」と「豚骨スープ」は、ラーメン店で使っているスープに長ネギを加えたもの。こちらも1杯350ccとたっぷり。スープの材料は、鶏がら、豚骨、昆布、イリコを主体に、白菜、キャベツ、リンゴ、玉ネギなど。毎朝6時15分から5時間炊き出したがらスープをベースに、ラーメンスープと同様、かえしと合わせて調味する。カップに入れる量が多いため、蓋を付けた後、ラップでさらに密封して提供している。
創業以来、作りたて、手作り、国産材料、無添加にこだわり続け、「手抜きなし!」をモットーに取り組んでいる。
●販売実績:8割がスープをセットに「ニラ玉丼」「自家製チャーシュー」も大好評
集客は1日80~100人。1番人気の「辛ネギチャーシュー丼」の日販は15~20個。その8割が「醤油スープ」か「豚骨スープ」をセットで注文する。集客全体では5割がスープとセットで注文。人気面では醤油がやや優勢だという。スープ単品の注文も多く、その場合は150円で販売している。
弁当の2番人気は「ニラ玉丼」(500円)で日販15個ほど。年末限定で販売している自家製チャーシューも大好評。客層は男性が主体で、とりわけ周辺の警察官の常連客が多い。
●ポイント:冬場が本領発揮 脂が張って冷めにくい
ラーメン店ならではの「醤油スープ」と「豚骨スープ」がユニーク。350ccかつ長ネギの追加も可能でボリューム満点。毎朝仕込まれる炊き出し感の鮮度も抜群だ。
野部真宏社長は「がらスープの脂が張るので、味噌汁に比べて冷めにくい。冬場は大人気です」と語り、「ラーメン用のコスト高のスープを使うので、本当は売れすぎると困るのですが」と本音を明かす。
●食材・資材の決め手 使用食材:「深谷ネギ」
1本100円以上でも譲れない
ラーメン店と合わせて1日100本以上使う「深谷ネギ」。「うま味、甘味、苦味のバランスがよく、ネバネバとした食感と歯応えも抜群」(野部氏)とし、輪切り、斜め切り、白髪など多様にカットして、料理全般に使用している。深谷ネギが不作の時は、最上ネギ、白美人などで代替。「1本100円以上の相場高でも国産にこだわる」と譲らない。
●店舗概要
「手作り元気弁当」 所在地=東京都中央区日本橋箱崎町17-8/営業時間=午前11時~翌午前2時(土・日・祝は午後11時/事業内容=1985年開業。「酒蔵 明石」「博多もつ鍋 たかしょう」などと合わせ自社ビル内に6店舗を経営。