社員食堂の注目株:NECライベックス「サンマー麺」 「かながわサンマー麺の会」と共同開発

2014.03.03 420号 16面
NECライベックス サンマー麺/430円

NECライベックス サンマー麺/430円

回転釜で沸かす大鍋で1回に200食分作る

回転釜で沸かす大鍋で1回に200食分作る

 「サンマー麺」は、「シャキシャキの炒め野菜」「とろみのあるスープ」「喉越しの良い細麺」が一体化した神奈川県のご当地ラーメン。“身体にやさしい食材”が豊富で、県民から根強く親しまれている。だが、調理には鍋をふる熟練技術が必要で、大量調理には不向き。そこで給食事業者の「NECライベックス」は、県内・中華料理店の有志で組織する「かながわサンマー麺の会」に調理指導を要請し、大量調理の方法を共同開発。このほど「NEC社員食堂」で実用化した。

 ●大鍋で200食を一度に調理 NEC社員食堂で神奈川の伝統を提供

 「サンマー麺」とは、戦後まもなく横浜中華街で発祥したラーメン。基本は醤油味のスープに、豚肉、モヤシ、白菜、その他旬の野菜などが入ったとろみのあるあんをかけたもの。横浜在住の人はもちろん神奈川県民にとっては昔懐かしい味だ。歴史あるこのラーメンを広く発信しようと、横浜の中華店主らがメンバーとなっている「かながわサンマー麺の会」とNECライベックスがコラボし、NECの本社ビルをはじめ玉川、相模原、府中、我孫子の各事業場、関西ビルの社員食堂でイベント企画として提供されている。

 サンマー麺の特徴のひとつがシャキシャキとした野菜の食感。社食用に大量生産し、客に提供するまでに時間が空いても、このシャキシャキ感を出せるかが、成否の分かれ目となった。試作を繰り返した結果、肉と野菜を炒めたあとに余分な水分と油をいったん切ることで、シャキシャキ感を残すことに成功。これを別鍋に用意したスープベースに混ぜて、とろみを付ける。時間がたつと野菜から水分が出るので、あんが緩くなり過ぎないようとろみをやや強めに付けるのもコツ。完成までに約半年の試行錯誤を重ねた。

 NECの社食で提供されているサンマー麺はモヤシ、白菜、玉ネギ、ニンジン、タケノコ、キクラゲ、ホウレンソウなど野菜たっぷりでヘルシー。スープの上にあんがかかっているので、スープが冷めにくいのも人気だ。玉川事業場のイベント日に用意した400食はわずか30分で完売という盛況ぶり。これを弾みとして、サンマー麺が全国区になることが期待されている。

 社名=(株)NECライベックス/本社所在地=東京都港区三田一丁日4番28号(三田国際ピル)/事業内容=NECグループを中心とした福利厚生、オフィスビジネスなどのサービス業。オフィス食堂、学校給食、クラブ・リゾート施設、宿泊研修施設、独身寮・社宅などの総合運営。厨房・食堂設計およびメニュー開発・食品衛生管理のトータルコンサルティングなど。

 団体名=かながわサンマー麺の会/活動内容=神奈川県中華料理業生活衛生同業組合に所属する中華料理店の有志団体。歴史のあるサンマー麺の魅力をより多くに人知ってもらうため、日々努力を続けている。会員数57店舗。

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