メニュートレンド:オリエンタル創作ラーメン 伊料理のブロードとアジアンカレーを融合

2014.06.02 423号 02面
具は鶏肉、タケノコ、玉ネギ。ミニサラダまたはライスを付ける。麺の量は100gだが、ライスを選んでスープをかけて食べるとリゾットとして味わうことができる

具は鶏肉、タケノコ、玉ネギ。ミニサラダまたはライスを付ける。麺の量は100gだが、ライスを選んでスープをかけて食べるとリゾットとして味わうことができる

東京・浜松町のJR浜松町駅から徒歩5分のオフィス街の真ん中に店を構える。周囲は飲食店も数えるほどしかなく、夜や週末は人通りが途絶える悪立地ながら、近隣オフィスワーカーの支持を獲得

東京・浜松町のJR浜松町駅から徒歩5分のオフィス街の真ん中に店を構える。周囲は飲食店も数えるほどしかなく、夜や週末は人通りが途絶える悪立地ながら、近隣オフィスワーカーの支持を獲得

 日本人の国民食であるカレーとラーメンを組み合わせたカレーラーメンは半世紀以上の歴史がある。最近はB級グルメブームも手伝って、町おこしにもひと役かっているケースも多い。そんな潮流から一歩離れ、ワイン酒場がラーメンを作るという視点から誕生した「ココナッツチキンカレーらぁめん」は、アジア料理とイタリア料理のエッセンスを融合させた洗練の味わいで、近隣女性客を中心に支持を得ている。

 ●昼も女性集客、夜の来店動機つなげる

 「昼・夜両方来ていただいてもお客さまが飽きないように、昼はラーメン店、夜はワイン酒場というスタイルを採用しました」とオーナーシェフの管野辰哉さん。夜や週末は人気のなくなるオフィス街に立地しながら、狙いどおり近隣オフィスワーカーの支持を獲得して昼40人、夜20人の集客に成功している。

 ランチのラーメンは同品のほか、「ムール貝のダシと鶏のコラーゲンのトマトらぁめん」(500円)、「チーズたっぷりカルボナーらぁめん」(750円)と独自性の高さが際立つ。

 夜の営業のためにイタリア料理のだし汁である「ブロード」を毎日5時間かけて作っており、それを活用したイタリアン・テイストなラーメンとした。このブロードをベースに、某有名ラーメン店オーナーの協力を得て開発した特製の塩だれを用いる。「4種類の塩を配合している」と管野さんは、味の秘密を語る。

 同品はさらに自家製のカレーペーストとホールトマトを合わせる。カレーペーストにはココナツミルクやナンプラーを使ってオリエンタルな風味に仕上げており、辛さは控えめだ。その味わいから、ランチも女性客の利用が5割と多く、それをきっかけに夜の来店にもつながった。

 スープに合わせて麺も独自に開発。わずかにちぢれた中太麺で、モチモチとした食感ながら、歯切れのよさが特徴。40回以上試作を繰り返し、パスタ麺の主原料であるセモリナ粉を配合することで、ようやく理想的な麺にたどり着いた。

 夜はワイン酒場に変身。売りは樽ワイン赤白2時間飲み放題を10US$で提供している点。取材時(18日午前11時半)の為替が102円だから、1020円というお値打ちで、来店客の8割が飲み放題を注文。飲み放題効果で、4人前後のグループ客の利用が多いという。フードは一品料理40品前後に、540円均一のピッツァ8品や日替わりのパスタやリゾット12品540~972円と豊富に揃える。

 管野さんは飲食店のプロデュースやコンサルタントとしての顔も持つ。今後も同店の経営との両軸で活動の幅を広げていく意向だ。

 ●店舗情報

 「ワイン卸売酒場 GOSSA」 経営=ジグリー/所在地=東京都港区芝2-2-12、電話03・5419・1960/開業=2013年2月/営業時間=午前11時半~午後2時半(LO2時)、5時~11時(LO10時)、日曜・祝日休/坪数・席数=10坪・20席/客単価=昼600円、夜3000円

 ●愛用資材・食材

 「イナウディ トリュフオイル」 輸入元=地中海フーズ(東京都港区赤坂)

 普段使いのワイン酒場をアピールする同店だが、管野さんは「料理は盛り付け、味、香りのバランス」と語り、料理へのこだわりは強い。同品はイタリア・ピエモンテ州の高級食材メーカー「イナウディ」社のもので、白トリュフと黒トリュフの2種類がある。アクアパッツァや国産黒毛和牛のロッシーニなどメーン料理の香り付けに活用して付加価値を高めている。

 規格=40ml

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