惣菜弁当研究所:ローカル名物紀行 沖縄学メシ弁当コレクション(後編)
●岡本太郎ばりの「赤」が衝撃的
「弁当」 税込み350円/約484g
岡本太郎の抽象画を思わせるケチャップの「赤」が衝撃的。岡本にとって赤は、炎であり太陽、そして脈動する命の色。本品は、羽ばたきそうな鶏唐揚げの躍動感をケチャップで見事に描写している。沖縄弁当は爆発だ。
とりいち(那覇市) 沖縄尚学高校付近
●卵の乾きを癒やすニンジンスライス
「かつ丼」 税込み300円/約464g
南国、沖縄のカツ丼は、卵の劣化を防ぐためか、卵とじの水分がなくなるまで煮きったようなカツ丼が多い。その乾きを癒やすかのように、ニンジンスライスを加えるのが一般的。彩りと食感のアップを両立する名脇役だ。
●おかずエリアにも白飯のW丼弁当
「弁当」 税込み350円/約442g
一見、ご飯におかずをのせた沖縄独特の弁当に見えるが、後方のおかずエリアに注目してほしい。なんと、おかずエリアのおかずの下にもご飯が敷いてある。つまり弁当の形をしたW丼なのだ。容器メーカーも驚く豪腕はあっぱれだ。
ゆうな弁当(那覇市) 南風原高校付近
●おかずの主権争いから一致団結
「弁当」 税込み250円/約350g
チキンカツ、ベーコン、肉そぼろ、コロッケは、普通、おかずの主役を争う覇権国家だが、内側に争いを懸念する緑黄国家を配置したことで、EUのように一致団結。平和と発展を願う好例だが、覇権の一国が離脱しないよう注意が必要だ。
コザきっちん(沖縄市) コザ高校付近
●沖縄ちゃんぽんにハンバーグを追加
「大ちゃん」 税込み560円 約746g
「小ちゃん」 税込み490円 約593g
沖縄では肉野菜炒めをご飯にのせた丼物を「ちゃんぽん」と呼ぶ。この弁当は、ちゃんぽんにハンバーグとハッシュポテトを追加したもの。「大きいちゃんぽん=大ちゃん」「小さいちゃんぽん=小ちゃん」の愛称で学生と卒業生から人気。
パーラーメガトン(浦添市) 浦添商業高校付近
●もう一品を刺激するトロピカルな彩り
「そぼろ弁当」 税込み180円/約230g
「カレーチャーハン」 税込み180円/約187g
「ミニ弁当」 税込み180円/約169g
多種多様な弁当が華やぐ売場で、とりわけ目を引くのが、約10種類ある180円のミニ弁当。 おかずの選択と配置、南国らしいトロピカルな彩りが秀逸。ハーフサイズの重量感も絶妙で「もう一品」でも「2個で1食」でも大満足。
●表裏あるパクつきのファーストインプレッション
「メンチカツおむすび」 税込み120円/約154g
メンチカツと白おむすびを合わせただけだが、実際に食べると不思議に面白い。メンチは硬く、白おむすびは軟らかいので、どちらを表裏にするかで、パクつきのファーストインプレッションが全く異なるのだ。具材を挟むポークおむすびよりも奥深い傑作だ。
丸糸ショップ(糸満市) 沖縄水産高校付近
(取材期間:2019年1月10日~9月30日)