焼肉特集 おもてなし焼肉:焼く姿でおいしさ3割増し、会話弾んで数倍に

2020.01.06 491号 01面
焼く姿がカッコよければおいしさは3割増し、さらに会話が弾めばおいしさ・楽しさは数倍に

焼く姿がカッコよければおいしさは3割増し、さらに会話が弾めばおいしさ・楽しさは数倍に

【限定5食】極盛~ごくもり~ シャトーブリアンなどが入った料理長渾身の極肉5種盛り合わせ。1人前4990円(税抜き)。注文は2人前から

【限定5食】極盛~ごくもり~ シャトーブリアンなどが入った料理長渾身の極肉5種盛り合わせ。1人前4990円(税抜き)。注文は2人前から

炭火黒毛和牛焼肉 うしくろ 東陽町店

炭火黒毛和牛焼肉 うしくろ 東陽町店

 サンエイフーズが都内下町エリアに6店舗をドミナント展開する「黒毛和牛焼肉 うしくろ」は、抗生物質不使用で飼育された和牛の雌のみを厳選して使用。カットも手切りにこだわり、和牛本来のおいしさを追求している。そして2年ほど前から、スタッフがお客さまの前で肉を最適な状態に焼き上げて提供する、おもてなしサービスを取り入れた。

 ●幸せをつなぐ、おもてなし

 スタッフが肉を焼き上げて提供するサービスは、都心の高級店で広がっている。「都心の高級店のおもてなしを下町エリアでも」という韓永紀サンエイフーズ社長の考え方から、2年前に始めた。

 まず、スタッフがお客さまに「焼き上げましょうか?」と声掛けをする。約9割の確率で「お願いします」という答えが返ってくるという。声掛けをするのは、お客さまが焼き上げるのが難しいステーキカットした厚みがあるものや、焼きしゃぶなど薄くスライスしたメニューだ。「スタッフが焼くと人手は1.5倍かかる。しかし、提供した肉をおいしく食べていただくためには必要だから当たり前。焼いている姿がカッコよければおいしさは3割増し」と、臼井教夫サンエイフーズ統括支配人は語る。

 同社では毎月1回「肉会」を開催し、スタッフにいろいろな部位を食べさせたり、焼き方を教えるなどの研修を行っている。「焼きは、本来は科学であり、理論が必要だが、アルバイトのスタッフにそこまで求めるのは無理。見て覚えてもらっている。個人差があるが、勘のよい人なら3、4回で覚える」と臼井支配人。

 だが、一番大切なのは「焼く」ことではない。その間のコミュニケーションが一番大切であり、リピーターやお店のファン獲得の大きなチャンスでもある。初めてのお客さまには、まず肉の説明から、常連客には日常会話で応じる。そしてお客さま好みの焼き加減に焼き上げる。その肉を食べたお客さまの笑顔が、スタッフの喜びになり、その笑顔と喜びが広がり、店内が楽しく、おいしい雰囲気に包まれる。人手が1.5倍かかっても、それ以上の相乗効果が生まれるのだ。

 「お客さまの財布のひもはますます固くなる。その中で選ばれるためには料理だけではダメ。提供スピード、サービスなどすべての項目で80点以上は当たり前。その中で一つ100点以上が必要」と韓社長は語る。同社は19年8月に「しあわせ創造企業 私たちは、『おいしい』を通じて、世の中の『しあわせ』を結びます」の経営理念を掲げた。その経営理念の一つの象徴が、今回紹介したおもてなしだ。

 ●店舗情報

 「黒毛和牛焼肉 うしくろ 東陽町店」 経営=サンエイフーズ/店舗所在地=東京都江東区東陽3-24-9/開業=2019年1月/坪数・席数=60坪・90席(16卓・20ロースター)/営業時間=17時~23時30分、土・日・祝16時~23時30分。不定休/平均客単価=6000~7000円

 ●愛用資材・食材

 「無煙ロースター 熱板タイプ(SPRD型)」 シンポ(名古屋市名東区)

 シートキーコントロールで火加減調整簡単

 「うしくろ 東陽町店」の3階はVIPルーム。「スタッフがすべての肉を焼き上げて最高の状態で提供するため、無煙ロースターをテーブルの中央ではなく、スタッフが焼きやすいように20cmほど焼き手側に寄せた特注品」と韓社長。肉の部位によって、火加減の調整がしやすい火力5段階調整機能付き。

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