アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:ECは副資材でもブランディングが大事

2021.03.01 505号 10面
ドットワンの関連会社が運営するスキンケアブランド「アイアム」の配送箱

ドットワンの関連会社が運営するスキンケアブランド「アイアム」の配送箱

 アパレル製品はボタンや縫い糸、裏地、ファスナーなど、さまざまな副資材が使われます。最近はコロナ禍でEC(ネット通販)が急拡大し「販売力をつけるには、副資材によるブランディングが必須」と、ブランドタグやパッケージを主力にするテンタックは指摘します。実際、ECが主販路のDtoC(メーカー直販)ブランドは、配送ボックスなどにこだわっています。

 実店舗で購入した商品は店の雰囲気や接客などブランドイメージを思い浮かべますが、ECでは「届いた箱を開けたときの高揚感や、凝ったパッケージで客の期待を超えることで、着るときに思い出してもらうことが大切」(テンタック)です。

 「エイミーイストワール」「アニュアンス」などDtoCブランドを販売するドットワンは、パッケージは顧客体験に欠かせないとし「買い続けたいと思ってもらうために、商品が届いたときにも感情が揺れる瞬間をつくりたい」と、自分へのご褒美になるようなデザインを意識しているそうです。

 「SNSでバズって、UGC(ユーザー生成コンテンツ)が生まれる」と話すのは、「9090」などのブランドを手掛けるユトリの片石貴展社長。ブランドロゴを大きくプリントした箱を使い、商品によってはおまけを同封し、ちょっとしたサプライズを演出する。それが、箱を開ける様子を撮影した“開封動画”がTikTokやインスタグラムの短尺動画「リール」に投稿され、拡散して新客が購入するサイクルを生んでいます。

 ブランドロゴが大きくプリントされた副資材は、購入した商品とセットで撮影してインスタグラムに投稿するという行動にもつながります。昨年盛り上がったユニクロの「+J」は、インスタグラムにブランドタグや特別仕様のボックスの画像が多く投稿されました。

 (繊研新聞 取締役編集局長 矢野剛)

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