山本純子のスゴイぜ!業務用冷凍食品(31)フルックスグループ「野菜かき揚げ」

2022.04.04 518号 04面

 ●ならの八百屋の天ぷら 使い切る、売り切る、野菜愛

 青果仲卸からスタートして58年、「八百屋」だけれどその枠にとらわれず、大和郡山市を発信拠点に全国にその名をとどろかす“面白い会社”がフルックスグループ。「大根1本からおせちまで」お届け、「惣菜のわかる八百屋」がキャッチフレーズです。

 振り返れば5年半ほど前、「冷凍食品、絶対にやりますよ!」と宣言した黒田久一代表。2018年11月にトンネルフリーザーを導入して以降の快進撃です。コロナ禍の2年間も何のその、国内製造の対応力と品質を武器に、天ぷら事業は売上げ5億円を目指す段階に来ています。なんというスピード感!

 四季折々の産地から野菜を知り尽くし、その健康価値をたたえ、自然の恵みに感謝し、「余すことなく使い切る、売り切る」という企業ポリシーが、丁寧に作られた冷凍天ぷら製品にも表れています。

 一番人気の「野菜かき揚げ」は、玉ネギ、ニンジン、サツマイモ、カボチャ、大根葉。プリフライして急速凍結しています。厨房では170℃の油温で1~2分揚げるだけ。その形状の美しいこと。厚みがあり、程よい空間も抱いて、手をかけたお惣菜の妙を感じます。サクッと噛んで、甘いサツマイモを感じると、思わず笑みが出るかき揚げです。

 聞けば、打ち粉をしてバッターを付け、揚げるまでの工程の厳密な時間管理がおいしさのポイントだとか。さらに、地域によって、衣薄め・厚めといったニーズにも対応しているというのです。

 おいしい天ぷらの原点は、黒田現代表が先代の命を受け、市場に天ぷら店を開き、毎朝仕込み、1人でひたすら揚げ続けて販売もした修業時代。奈良の修学旅行を受け入れる旅館にもよく売れたとか。

 そのうち顧客から、天ぷら用に素材だけほしい、といった要望も出てきて、天材・カット野菜事業につながります。そして惣菜マーケット、外食マーケットを知ると、青果に関する「お悩み」が見えてきて、その役に立ちたいという思いで、また新しい製品、事業が生まれました。

 もしや、野菜や果物の妖精が住み着いている会社なのでは? と私は疑っております。

 ●商品概要

 フルックスグループ「野菜かき揚げ」

 規格=約90g(11cm×11cm)

 ★ここがスゴイ!

 青果の妖精に、操られている会社かも

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