2022年2月度、外食動向調査 フードコンサルティング

2022.05.02 519号 05面

 ●前年比ではプラスに

 日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2月の外食売上げは、前年同月比4.8%増となった。前年比ではプラスであるが、昨年は2度目となった緊急事態宣言が発令された時期と重なり、その影響で外食需要が大きく落ち込んだことによる反動増となったが、コロナ禍前の2019年同月比では15.5%減となっている。結果として、前月号と同じ見出しとなってしまった。

 昨年末から都市部を中心に急速に感染拡大したオミクロン株の新規感染が、2月は全国規模で拡大したことを受けて、まん延防止等重点措置が全国36都道府県に適用された。この影響により、時短営業の継続を余儀なくされたため、ファストフード以外の業態では、まだまだ深刻な需要の低迷が続いており、19年同月比では15.5%減となるなど、コロナ禍前には戻っていない状況だ。

 ●「勝ち組」テイクアウト注力

 コロナ禍始まって以降の外食「勝ち組」がファストフード業態であることに異論はないだろう。この好調を支えているのは、もっぱらテイクアウトだといわれる。ウーバーイーツに代表されるデリバリーも増えてはいるが、実需としてはテイクアウトの方が多いのだ。コロナウイルスが急拡大した2年前から「デリバリーブーム」が始まり、一昨年後半当たりからは「ゴーストレストラン」と称した実店舗を持たない厨房だけのデリバリー専門業態が急増したが、早くも昨年後半から失速気味となっている。

 やはり実店舗がなく、誰がどのような状態の厨房で調理したものかが分からない不安感は、消費者にとっては無視できないものではなかろうか。加えて、個人的見解だが、「ゴースト」との呼称もネガティブな印象を与えていると感じる。

 実際、10ヵ月以上連続して前年比を上回っている「コロナ勝ち組」とも呼べる次の5業態とも、テイクアウトが強い、あるいは注力している業態であることは、注目に値する。

 ▽マクドナルド(20ヵ月連続) ▽すき家(12ヵ月連続) ▽てんや(同) ▽ギフト(11ヵ月連続) ▽NATTY(同)

 このうち、マックとすき家、てんやに関しては、もはや説明不要であろう。面白いのが、居酒屋業態と分類されている「NATTY(肉汁餃子のダンダダン)」が入っていることに加え、いわゆる「横浜家系ラーメン」の「ギフト(町田商店)」も入っていることだ。

 「NATTY」は居酒屋というより、はやりの町中華に近い使われ方のチェーンで、ウリのギョウザやコスパ高い中華弁当のテイクアウトも人気だ。

 一方、「町田商店」はラーメン屋なのでテイクアウト?と思いきや、コロナ禍が始まって間もなく、なんと20年4月1日からラーメンのテイクアウトを始めていたのだ(現在はサービス終了)。コロナが騒がれ始めたのが同年2月のため、いかに「機を見るに敏」な会社なのかが分かるし、今後の成長が楽しみな会社だ。

 そろそろコロナが落ち着いてくるはず?と期待する外食業界だが、手数料の高いデリバリーや慣れないゴーストキッチンに無理して参入するよりも、テイクアウトを拡大する方が、よっぽど現実的ではなかろうか。