2023年8月度、外食動向調査 フードコンサルティング
●21ヵ月連続で前年比売上げ増加
日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2023年8月度売上げは、前年同月比116.6%となり、21ヵ月連続の増加を記録。客数は前年同月比8.4%増、客単価も7.6%増と、いずれも絶好調であった。
8月は学校関係が夏休みとなり、ファミリー利用による外食利用人数が増えたことに加え、7月に続いて全国的に異常な高温となり、夏メニューの注文も増えたことから客単価アップに寄与し、2桁増収につながった。
13ヵ月平均推移を見ても、長らく前年割れが続いていたスシロー(91.1%)と、コロナ期間中も好調を維持した反動減が今年前半まで続いたNATTY(98.9%)以外は、すべて100%を超える状態となった。
●メガチェーンはどこだ?
本連載は、大手チェーンの今月の売上げ=客単価×客数について、昨年と比較した割合を毎月お届けしているが、大手チェーンには「店舗数」という大きな要素が存在する。
そこで今月号では、外食業界の大手チェーンのうち、店舗数が1業態で1000店舗を超えるチェーンを「メガチェーン」と定義し、2022年12月末時点の店舗数でランキングをまとめた。
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1位=マクドナルド(2959店舗)
2位=ほっともっと(2437店舗)
3位=すき家(1937店舗)
4位=スターバックス(1784店舗)
5位=ガスト(1317店舗)
6位=モスバーガー(1268店舗)
7位=CoCo壱番屋(1218店舗)
8位=ケンタッキーフライドチキン(1189店舗)
9位=吉野家(1188店舗)
10位=サイゼリヤ(1073店舗)
11位=ドトールコーヒー(1046店舗)
12位=サーティーワン(1015店舗)
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ご覧の通り、ブランド力の高い有名チェーンばかりであり、いずれもテイクアウト売上げが高い割合にあるのも共通している。要は、店内でも家や職場でも頻繁に利用されることが出店=店舗数の増加につながり、それがさらに利用頻度を上げる要因になるという、好循環が続いているチェーンであるとも言える。
一方、「メガチェーン」を輩出していない業態は、「居酒屋」「焼き鳥」「定食」「焼肉」「ラーメン」「回転寿司」「ステーキ」「そばうどん」「和食」の各チェーン業態であった。
業態のイメージからすると「ラーメン」や「定食」「そばうどん」「和食」にも「メガチェーン」は存在していそうだが、これらの業態は個人店も多く存在しており、特に激しい競争が展開されている業態となっている影響もあるのであろう。次は「メガチェーン」における、コロナ期間前後の店舗数推移についても調べてみたい。