業界TOPICS:吉野家の「第4の肉」 ダチョウ肉丼を発売

2024.09.02 547号 19面
「オーストリッチ丼~スープ添え~」1,638円(税込み) 全国の吉野家「クッキング&コンフォートスタイル」約400店舗で、約6万食の数量限定販売。オーストリッチミートのもも肉とヒレ肉をローストビーフ風に仕立て、ホースラディッシュの醤油タレとサワークリームのホワイトソース、卵黄をのせ、オーストリッチのガラスープを添えて提供する

「オーストリッチ丼~スープ添え~」1,638円(税込み) 全国の吉野家「クッキング&コンフォートスタイル」約400店舗で、約6万食の数量限定販売。オーストリッチミートのもも肉とヒレ肉をローストビーフ風に仕立て、ホースラディッシュの醤油タレとサワークリームのホワイトソース、卵黄をのせ、オーストリッチのガラスープを添えて提供する

 吉野家のクッキング&コンフォートスタイル店舗約400店で8月28日から、国産ダチョウ肉(オーストリッチ)を使った「オーストリッチ丼」を約6万食数量限定で発売した。吉野家で牛豚鶏以外の肉を使用するのは初。

 また、吉野家ホールディングスは、オーストリッチ事業を本格的に開始し、100%子会社のSPEEDIAがダチョウの飼育、研究、商品開発・販売を行う。同社ではオーストリッチオイルなどのスキンケア商品も販売展開する。

 28日に開催された「吉野家ホールディングス新規事業発表会」で河村泰貴代表取締役社長は、「人口増加、気候変動、食糧問題などの社会課題がある現在、多様な食糧によって健康を維持する必要がある。また、当社は牛肉を巡る情勢に左右され続けてきた。リスク分散の観点も踏まえ、オーストリッチに着目した」と、語った。

 オーストリッチミートは臭みがなく、牛肉の赤身に似たあっさりと食べやすい味わい。高タンパク、低脂肪、低カロリーで鉄分が豊富という、牛、豚、鶏肉それぞれの栄養面での優れた点を併せ持つ。「当社では『うまい、安い、早い』を大切にしているが、『うまい』という価値観は時代と共に変化している。単においしいというだけでなく、体にうれしい健康的なメニューが求められている」(河村社長)として、同社ではオーストリッチを牛豚鶏に次ぐ“第4の肉”と位置付け、期待を寄せている。

 同発表会で登壇した京都府立大学学長、獣医師・獣医学博士の塚本康浩氏によると、ダチョウは「地球上で最も大きな卵を生み、わずか1年で2m50cmにも成長する。牛と比べても2分の1~4分の1程度の飼料で育つため飼料効率が高く、環境に優しい動物」で、今後ますます注目が高まる食材だろう。

 吉野家ホールディングスでは、オーストリッチミートを吉野家の店舗でメニュー展開するだけでなく、他の飲食店への卸販売も積極的に行う方針だ。

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