中華まん特集

2020.10.14
中華まん特集

 ●19年は暖冬の影響受け市場縮小
 2019年の中華まん市場は、前年比8~9%減の約626億円となったもよう。19年は暖冬となり、気温の影響を受けやすい中華まんは苦戦。さらに、家庭での「軽食」の需要が、近年好調な冷凍食品のピザなどに流れたことの影響も受けた。コンビニエンスストア(CVS)の店舗増加や食事代替・おやつなど食シーンの拡大で14年に580億円だった市場規模が、17年は670億円に、18年は前年比2%増の680億円を達成し、市場規模700億円を射程圏内に収めたが、一転19年は踊り場となった。20年はコロナ禍の影響を受け、CVSカウンターで販売する加温商品が苦戦した。一方、巣ごもり消費の増加を受け、冷凍中華まんは大幅増となった。
 近年の中華まん市場の成長の背景には、女性の社会進出によって相対的に家事にかける時間が減少し食事でも、より時短・簡便ニーズの高まりや世帯数の少人数化による個食化の進行などで、「1食完結型」であることなどが評価されたことがある。こうした中華まんの価値がコロナ禍でも簡便な食事として評価された。ただ、中華まん市場で一定の売上げを占めるCVSの加温中華まんの苦戦は深刻だ。メーカーの一部は、近年の市場拡大に対応し、特にCVS向け加温商品の増産体制を強化している。今後、稼働率悪化による収益への影響が懸念される。(青柳英明)