2024年3月度、外食動向調査 フードコンサルティング

2024.06.03 544号 05面

 ●28ヵ月連続前年比増収で回復定着

 日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2024年3月度売上げは、前年同月比111.2%となり28ヵ月連続の増加を記録した。昨年と比べ、祝日と土曜日がそれぞれ1日多かったことから、客数が前年同月比6.6%増と大きく伸び、客単価も4.4%増となり好調な結果となった。

 個別に見ると、前年比を下回った業態は、2月の4業態から5業態となったが、6ヵ月連続で前年売上げを下回っている「ステーキ宮」(93.8%)以外は、大きな落ち込みは見られなかった。

 ●インバウンド対応東京都が補助金

 昨年のコロナ明け以降、インバウンド客が回復しているニュースをたびたび目にするが、2023年度はコロナ前2019年度比で約8割まで回復しており、2024年度は2019年度を超えることは、ほぼ確実とみられている。

 もはや指摘するまでもないが、このインバウンド客の取り込みこそ、飲食店にとっての当面の生き残り策といえよう。そんな状況を見越してか、このたび東京都が「インバウンド対応力強化支援補助金」を創設した。

 何かにつけ批判されがちな都知事だが、この政策に限っては迅速かつ的確なものとなっている。さっそく補助金の概要を見ていきたい。

 〈補助対象事業〉

 インバウンド対応力強化のために新たに実施する下記の事業が、補助金支給の対象となる。

 ▽多言語対応(施設などの案内表示・施設内設備などの利用案内・ホームページ・パンフレットの多言語化、多言語対応タブレットの導入、翻訳機の購入など)

 ▽公衆無線LANの設置

 ▽クレジットカードや電子マネーなどの決済機器の導入

 ▽館内および客室内トイレの洋式化

 ▽外国人旅行者の受入対応、アクセシブル・ツーリズムに係る人材育成(研修会の開催、外部セミナーの受講、接遇マニュアルの作成など)

 ▽災害時における外国人旅行者の受入対応(防災マップの作成、避難誘導訓練の実施・マニュアルの作成など)

 ▽外国人用グルメサイトへの掲載に要する費用

 〈対象者〉

 ▽東京都内にて営業する飲食店

 ▽中小企業基本法で定められる中小企業(大手企業と資本関係にない企業)

 ▽東京都の多言語メニュー作成支援Webサイト「EAT TOKYO」の「外国語メニューがある飲食店検索サイト」に掲載されている店舗

 〈補助内容〉

 ▽補助額は、補助対象経費の二分の一以内

 ▽事業者向けの上限は300万円

 ▽対象期間は、2024年4月1日~2025年3月31日まで(ただし、補助金申請額が予算額に達した時点で受付終了)

 申請手続きに関する詳細は「インバウンド対応力強化支援補助金/TCVB 公益財団法人東京観光財団」のWebサイト(https://www.tcvb.or.jp/jp/project/infra/welcome-foreigner/)を参照

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