第43回食品ヒット大賞決まる 3年ぶり大賞「キリンビール 晴れ風」
日本食糧新聞社制定、令和6年度「第43回食品ヒット大賞」および「第38回新技術・食品開発賞」の受賞商品が決まった。食品ヒット大賞には「キリンビール 晴れ風」が選出された。亀井昭宏選考委員長は「厳しい経済環境や消費生活の変化、激化する市場競争の中で、圧倒的な推薦件数と選考委員全員の強力な支持を得た。キリンビールの奮闘と創意工夫が高く評価された」とコメントした。食品ヒット大賞の選定は3年ぶり。優秀ヒット賞22品、ロングセラー賞4品、昭和100年記念ロングセラー特別賞1品が受賞した。贈呈式・祝賀会は来年2月20日、ホテルニューオータニ東京で行われる。(安田陽子)
●優秀ヒット賞22品、ロングセラー賞4品、特別賞1品に栄冠
食品業界では段階的な酒税率改正により、発泡酒や新ジャンルとの価格差が縮小し、ビール市場が再び注目される「ビール回帰の年」となった。食品ヒット大賞の「キリンビール 晴れ風」は、ビール愛好者以外の幅広い層をもターゲットに設定し、「ビールとしてのうまみや飲み応え」と「飲みやすさ」を両立したバランスの良い味わいと、「キリンビール 晴れ風」を購入することで、ビールに欠かせない日本の風物詩の保全・継承として桜の保全費や花火大会の運営資金が各自治体へ自動的に寄付される仕組み「晴れ風ACTION」を構築。ビール離れが指摘される若年層の「エシカル消費(倫理的消費)」の意識も刺激し、キリンビールの17年ぶりスタンダードビール新ブランドとして成功した。
優秀ヒット賞では、テレワーク体制の見直しによる「出社回帰」で時間に追われる人が増加したことから、フライパン一つでできる「ワンパン」商品や、お湯を注ぐだけで手軽に楽しめるお茶漬け、お湯や水・牛乳などにひと混ぜするだけの液体濃縮スープなど「時短」ニーズに応える商品が選ばれた。
「健康面」では、酸化対策で鮮度を保つ「サビないオイル」やカロリーを抑えながらもおいしさを損なわないドレッシングなど、商品力を強化したヘルシー志向の商品が支持された。また、「楽しみの面」では、缶の蓋を開けると炭酸の泡とともにレモンが浮かび上がる新感覚サワーや、もちっとした食感を楽しめる乾燥パスタ、白子のような滑らかな豆腐など、物価高の中でも健康的で楽しい食生活を追求した商品が注目を集めた。
令和6年度「第43回食品ヒット大賞」選考委員会は11月26日、ホテルニューオータニ東京で開催。全国の有力小売、卸など88社のモニター企業に推薦を依頼、65社(回答率73.9%)からの回答があった。ノミネートされた商品について慎重かつ厳正な選考審査を行って決定した。
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〈選考委員〉▽委員長=亀井昭宏早稲田大学名誉教授▽委員=岡本均伊藤忠食品代表取締役社長社長執行役員、京谷裕三菱食品代表取締役社長、國分勘兵衛国分グループ本社代表取締役会長兼CEO、佐々木淳一日本アクセス代表取締役会長、倉本隆日本酒類販売代表取締役社長、柴田幸介三井物産流通グループ代表取締役社長、今野正義日本食糧新聞社代表取締役会長
◆食品ヒット大賞
・「キリンビール 晴れ風」 キリンビール
◆優秀ヒット賞(部門別五十音順)
〈一般加工食品部門〉
・「パスタキューブ」 味の素
・「ドライキーマカレー 中辛」 エスビー食品
・「キユーピー 深煎りごまドレッシング カロリーハーフ」 キユーピー
・「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」 昭和産業
・「カップ入りお茶づけ」 永谷園
・「日清ヘルシークリア」 日清オイリオグループ
・「日清ラ王 3食パック」シリーズ 日清食品
・「オーマイプレミアム もちっとおいしいスパゲッティ 1.5mm/1.8mm」 ニップン
・「休日のシチュー」 ハウス食品
・「しげき」 三島食品
・「割るだけスープ」 理研ビタミン
〈酒類部門〉
・「未来のレモンサワー」 アサヒビール
・「月桂冠 アルゴ 日本酒5.0」 月桂冠
・「ヱビス クリエイティブブリュー 燻(いぶし)」 サッポロビール
〈チルド食品・フローズン食品部門〉
・「井村屋謹製 たい焼き(つぶあん)」 井村屋
・「白子のようなビヨンドとうふ」 相模屋食料
・「本当に旨い担々麺」 ニチレイフーズ
・「シャウスライス」 日本ハム
〈菓子・パン部門〉
・「じゅるる」 カンロ
・「ラングレイス」 ブルボン
・「薄皮グルメ」シリーズ 山崎製パン
・「忍者めし 鉄の鎧 グレープ味」 UHA味覚糖
〈ロングセラー賞〉(発売年)
・「オールレーズン」(昭和47年) 東ハト
・「サッポロ一番 カップスター」(昭和50年) サンヨー食品
・「雪印北海道100 さけるチーズ」(昭和55年) 雪印メグミルク
・「コアラのマーチ」(昭和59年) ロッテ
〈昭和100年記念ロングセラー特別賞〉
・「三ツ矢サイダー」(明治17年) アサヒ飲料