漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(187)霜降 地面に白、見上げてみると
●24節気 霜降(10月23日~11月6日)
朝夕めっきり肌寒くなり、露が冷たい空気と接して霜に変わる時期です。風もなく静かに気温が下がり、地面の温度が0℃以下になると、地表に近いところにある草花などの上で、朝露は凍りついて白い結晶になります。これが霜。そんな時期、上を向くと見つかるのが木の実たち。代表格が栗ですね。
大粒の「銀寄」、ゆで栗に最高な「利平」、味の良い「美玖里」、最新品種の、皮がむきやすい「ぽろたん」「ぽろすけ」など多くの品種があります。ひと手間かけて、この時期ならではの栗ごはんなどもいいですね。
季節にかかわらず活用できる「栗の甘露煮」や「むき栗の水煮真空パック」「甘栗」「焼き栗」など手軽に食べられ、料理にも使える便利な商品もあります。手軽に秋の味覚を楽しみたいですね。
●ごうんろっきで気象うらない
五運六気・2025年(乙巳年)客運の火運太過と、主気の陽明燥金が優勢となって、温かく乾燥した気候になりそうです。
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五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
◆栗と豚肉のオイスターソース炒め
身体に元気と潤いをチャージ!
エネルギー330kcal たんぱく質13.7g 塩分2.4g(1人分)
〈材料・2人分〉
・むき栗……80g(※甘栗や栗の甘露煮でも可)
・豚肉(薄切り)……100g
A・しょうゆ・酒……各小さじ1
・長芋……80g
・えのきたけ……50g
・さやいんげん……30g
・クコの実……小さじ2(同量の水にひたしておく)
・ごま油……大さじ1
・しょうが(せん切り)……大さじ1
B・オイスターソース・しょうゆ・酒……各小さじ2
B・砂糖……小さじ1
〈作り方〉
(1)むき栗は水にさらしザルにあげる。豚肉はひと口大に切りAで下味をつける。
(2)長芋は皮をむき3cm長さの拍子木切り、さやいんげんは斜め切りにする。えのきたけは石づきを切り落とし3cmに切っておく。
(3)フライパンにごま油を入れ、しょうがを焦がさないように炒め、豚肉、栗、さやいんげんを入れて中火で栗に火が通るまでじっくり炒める。
(4)Bの合わせ調味料を入れ、えのきたけと長芋、クコの実(ひたした汁も)を加え、さっと炒め合わせる。
●栗 chestnut
【栄養学】栗のビタミンCは加熱に強く、肌荒れや風邪を防ぎ疲労を回復させます。食物繊維やカリウム・亜鉛も含み栄養豊富です。
【薬膳学】気を補うので足腰を強化し、胃腸の働きや血の巡りを良くします。空気が乾く季節、豚肉や長芋など身体を潤す食材とともに。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師北智子(レシピも)