焼き肉特集:インタビュー=江崎政雄・全国焼肉協会会長に聞く
焼き肉店や食肉小売店では11月中旬現在、狂牛病騒動の風評被害による売上高のマイナスが、最も影響のあった10月初旬の前年同期比四〇~八〇%減に対し二〇~六〇%減にまで回復してきた。JY(全国焼肉協会・事業協同組合、東京本部=電話03・5298・2066)の会長で(株)食道園(大阪市中央区、電話06・6212・1751)の社長である江崎政雄氏に、急速に好転してきた消費回復への取り組みと対応について聞いた。
現在、新たなデータ収集を行っているが、10月は平均で前年同期比約七〇%減であった売上高が、11月は約五〇%減にまで回復。一ヵ月で二〇%程度は良くなってきた。もちろん、店舗差はある。
積極的に肉やビールなどの割引セールをやってきたところは、二〇~四〇%のダウンにまで回復している。必死な思いでディスカウントセールをやっているわけだが、何もやっていないところは相変わらず六〇~七〇%のダウンで低迷。協会内でもかなりの格差がでてきた。
対応の仕方によって違うということだろうが、その差は店主の考え方による。何もしないのか、また、ディスカウントセールをやるのか、どちらにしても財務上の結果はそうは変わらない。ただ協会としては、販促を工夫して「店に賑わいを取り戻す」ことを優先する方法を勧めている。
「まずお客さんに来ていただく」。そして、賑わいのある店で「おいしい肉を食べていただく」ことだと考えている。
今、行政が悪いとかマスコミが悪いとか言っても始まらない。議員懇談会でもアイデアがあればお金は出すという話だったが、現実は緊急対策の中に協会に対しての補助はまったくなかった。今回、焼肉協会としてできることは何があるのかと前回の理事会でも議論し、われわれの力で、ここまで人気が落ちたものをどうすればよいか、前向きに考えようということになった。
現時点でお金をかけずにできることはポスターを作ること。
「焼き肉のおいしさ・楽しさ」を思い出してもらうようなものを作るということで、今回四万部を制作。ポスターは、協会の非会員さんにもお配りしようと考えている。
あぶない“かも”しれないといった根拠のない風評が、なぜ大手を振っているか理解に苦しむ中で、協会の対応として、特定の国の肉が安全だとか輸入肉なら安心だとかという方法でのPRはしたくない。
風評という大きな影響に対し、できれば、どこかテレビに取り上げていただき、(市場に出回っている)肉は安全だということと、おいしさ・楽しさをアピールしたい。一番気にされている女性の方に訴えかけるような番組内容・時間帯に放映していただけないかと考えている。どうかご協力いただきたい。
希望的観測では、12月が前年同期比の八〇%台、1月には同九〇%台に回復してくれると考えている。とにかく店舗はじっとしていないで、積極的にやろうではありませんか!
◆狂牛病と安全宣言
11月21日、厚生労働省の検査で、北海道の六七ヵ月の牛に狂牛病が発症(陽性)したと発表された。畜産業界では、安全宣言以降に厳格な全頭検査が実施されれば、もっと早い時期に発症牛が出てくるとも言われていた。
安全宣言以降、「発症した牛が食肉にならない体制は万全である」(坂口厚労相)とのコメントにあるように、市場に危険な食肉が流出することはない。
ただここで理解しなければいけないのは、感染源である肉骨粉が流通していたことは事実であり、今後発症牛が出てくることは不思議なことではない。結果的に、厚労省の検査で発症牛が発見されることは、現時点での最良方法で消費者へのガードがなされている証と考えられるのではないか。(吉岡)














