第39回新技術・食品開発賞 新たな価値創出の5品 最先端技術が結実
日本食糧新聞社制定、令和7年度「第39回新技術・食品開発賞」の受賞商品が決まった。選考委員会は5日、東京都中央区の食情報館で開催され、ノミネートされた有力候補を対象に、厳正かつ慎重な審査が行われた結果、食品・食品素材分野における先端技術や新たな価値創出が高く評価された5件を受賞商品として選定した。
今回の受賞商品には、健康課題への対応や調理・喫食シーンの拡張といった現在の食品市場が抱えるテーマに正面から取り組んだ技術が揃った。原料や製法に独自性を持たせることで、新たな食体験や機能価値を提案している点が共通している。
健康分野では、血糖管理に着目したヨーグルトおよびドリンクタイプや食生活の質向上を支援する食品素材が評価された。高齢化の進展や生活習慣病予防への関心が高まる中、日常的に取り入れやすい食品形態で機能性を提供する取り組みが市場のニーズと合致した。簡便・時短の分野では、電子レンジ調理で本格的な味や食感を実現する冷凍食品や、やわらかさや食べやすさに配慮した商品が選ばれた。調理負担の軽減に加え、高齢者や子どもにも配慮した設計は、今後の市場拡大を見据えた技術として注目される。また、独自素材や加工技術を活用し、新たな食感や用途を提案する商品も受賞した。既存カテゴリーの枠にとらわれず、付加価値を高めることで差別化を図る姿勢が評価された。
「新技術・食品開発賞」は、食品および食品素材分野における先端技術を対象に、新分野の開拓や産業の発展に寄与した製品・素材を表彰するもの。今回の受賞商品群からは、健康、簡便、食の多様化といった市場課題に対し、技術力を軸に応える食品メーカーの開発姿勢があらためて示された。
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〈選考委員〉▽委員長=岩元睦夫農林水産省農林水産技術会議元事務局長▽委員=阿部啓子東京大学名誉教授、飯島陽子工学院大学先進工学部応用化学科教授、五十部誠一郎日本大学生産工学部特任教授、春見隆文日本醤油技術センター顧問、久保村喜代子久保村食文化研究所代表、堀田国元機能水研究振興財団理事長、松村雅彦日本食品添加物協会専務理事、松本隆志東京海洋大学学術研究院食品生産科学部門教授、杉田尚日本食糧新聞社代表取締役社長
◆新技術・食品開発賞(社名五十音順)
・「GOVOCE」「GOVOCE ミルク」 あじかん
・「もちきゅあ(みたらし団子味、いちご大福風味)」 三幸製菓
・「レンジでお寿司 冷凍手まり寿司」「レンジでお寿司 冷凍握り寿司」 ニックスインターナショナル
・「やわらエール」「やわらのチカラ」 ニップン
・「明治ヘモグロビンA1c対策ヨーグルト」「明治ヘモグロビンA1c対策ヨーグルトドリンクタイプ」 明治











