アポなし!新業態チェック(2)「クイズノス・サブ」銀座マロニエ通り店

2006.12.04 322号 4面

全世界で5000店舗以上を展開するサンドイッチ店チェーンの「クイズノス」が、宅配ピザチェーンの老舗「ドミノ・ピザ」を運営するヒガ・インダストリーズによって、日本に再上陸した。同チェーンは1999年に一度、当時営業権を獲得した経営コンサルティング会社によって日本国内での展開を目指したが、成功に結び付かず昨年撤退している。

ヒガ・インダストリーズは、これと入れ替わりに昨年同チェーンの米国本社と契約を結び、準備期間を経て、去る9月9日に銀座3丁目の通称「マロニエ通り」に面したビル内に開業した。

同社は、報道を通じて「かつては『ファストフード』だったが、今回は『ファストカジュアル』として展開する」という方針を伝えている。銀座の店舗は1階が販売カウンター、2階が客席となっており、客席にはベンチシートやカフェ風のイスも配置され、女性客を意識したつくり。

同店の商品は、軟らかいバゲットに具材を挟むサンドイッチ14種類のほか、サラダ、スープ、デザート、ドリンクなど。サンドイッチは、米国の通常サイズであるL(24cm)と、その半分のRの2種類があり、その場でつくって提供される。想定する客単価は約700円。

同社では、今後5年から7年程度で、FC店を中心に100店以上の出店を予定しており、1年以内にFC店の正式な募集を開始する計画であるという。

★けんじの評価

有楽町駅前にあったクイズノスに撤退の直前のころ一度入ったが、かなり悲惨な状態だったと記憶している。そのクイズノスが装いも新たに銀座に出店した。日本国内での経営が変わり、店名も「クイズノス・サブ」となって、まったく新しい店舗として再スタートを切ったのだ。

有楽町と銀座、一見すると同じエリアへの出店のようだが、今回の「マロニエ通り」は銀座の中でもかなりおしゃれなエリア。すぐ隣のビルには「スターバックス」の大型店があり、通りの向かい側には「サンマルクカフェ」が出店。残念ながら先日閉店してしまったが、女性を中心に圧倒的な人気を誇った「キハチ・チャイナ」の銀座店もすぐ近くだ。

周辺は女性をターゲットにした店が多く、夕方以降の通りを行き交う人は、女性が圧倒的に多い。あの吉野家で有名な、男性サラリーマン中心のエリアである有楽町駅前とは正反対の立地と言える。

同店には2回ほど立ち寄ったが、サンドイッチはとてもおいしい。軽く温められたバゲットは軟らかく、たっぷり入った具材でかなりのボリュームがあり、男性でもRサイズで十分満足できるが、食べにくさはあまり感じない。サラダもボリュームたっぷりで、スープも美味だった。

ただし、1階のレーンでの注文に、えらく時間がかかるのはちょっとつらい。2階の客席が空いている場合は、注文だけして、2階で待つようなシステムにはできないのだろうか。

●店舗概要

店名=クイズノス・サブ 銀座マロニエ通り店/開業=9月9日/所在地=東京都中央区銀座3─7─2 オーク銀座ビル1~2階/店舗面積=約40坪/席数=67席(全席禁煙)

◆鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。

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