社食でカラダ改革(3)ロイヤルコントラクトサービス
◆ヘルシーメニューに7つの切り口 おいしさ+満足感+健康のバランスを重視
オフィスのランチ事情に異変が起きている。「弁当男子」–弁当持参の独身男性が増えているのだ。彼らのキーワードは節約、エコ、健康。このように、未曾有の不況下、社員食堂の運営にも近い・早い・安いに加え、健康や社会貢献といった付加価値が求められている。
2008年1月に社名をエスシーロイヤルから変更したロイヤルコントラクトサービス(株)。オフィスや工場内での食堂を展開するB&I(ビジネス・インダストリー)事業をはじめ、病院、シルバーリビング施設、研修所、社員クラブなどでの給食事業を展開している。
「B&Iでは以前からカロリーや塩分、野菜摂取量などをテーマにしたヘルシーメニューを展開しているが、特定健診・特定保健指導の導入以降、クライアント(企業担当者)から、揚げ物を減らしてほしいなど、より健康重視のメニューが求められている。だが、ヘルシーメニューと聞くと味や量で満たされぬ印象があるのか、食堂利用者はボリューム重視の傾向がいまだ根強いのが現状」と長尾正明・取締役営業部長。
「おいしさと満足感を第1に、健康要素をバランスよく組み込んで、毎日気持ちよくご利用いただけるメニュー展開を心掛けている」という。
ヘルシーセットとして7つのコンセプトでメニューを展開。写真の骨元気セット(カルシウム訴求)のほか、お腹すっきり(食物繊維)、塩分控えめ、疲労回復(ビタミンB1)、ノンオイル(脂質)、鉄分補給(鉄分)、もりもり野菜の各セットがある。
「定食形式のセットメニューだと、カロリーや栄養をコントロールしやすいが、選食の幅が広いカフェテリア業態では、バランスのよい食べ方、選び方を誘導する仕掛け作りも重要です」と健康衛生管理室の白石明子室長。ネーミングによる付加価値、POPによる健康情報の発信などにも知恵を絞る。「コンセプトメニューとはいえ頭でっかちでなく、お客さまに心で舌で選ばれるおいしいヘルシー料理を提供したい。包み焼きなどの盛り付けによるボリュームアップ、肉料理のヘルシーアレンジ、コンニャク入りご飯といった話題の食材を利用し、事業所ごとの性格に合わせた内容で日々提案していきたい」と語る。
◇骨元気セット(630kcal カルシウム279mg 塩分2.4g)
サーモンの包み焼き、五穀とひじきのサラダ、ライス、大根のポタージュスープ