メニュートレンド:柚子に注目した創作中華 柚子元鍋「先斗町 柚子元」

2009.11.02 364号 01面
さっぱり塩味とうま辛みが楽しめる柚子元鍋(写真は2人前)と、人気の柚子豚饅

さっぱり塩味とうま辛みが楽しめる柚子元鍋(写真は2人前)と、人気の柚子豚饅

雰囲気のある先斗町に溶け込んだ店構え

雰囲気のある先斗町に溶け込んだ店構え

 京都の「先斗町 柚子元」は、ユズにこだわった創作中華の店。なかでも人気なのが、オープン時からの名物料理である「柚子元鍋」(1人前2100円)である。来店客の9割がオーダーするという、さっぱりとうま辛の2色鍋を取材した。

 「先斗町 柚子元」を運営するのは、万豚記などを展開する際コーポレーション(株)。さまざまな店舗で中華の世界を広げているが、この店が提案するのは、ユズにこだわった中華料理。ユズ=和食というイメージをくつがえしつつ、京都の町並みにしっくりとなじんでいる面白さが魅力だ。

 名物料理の「柚子元鍋」は、昨今人気の2色鍋。スープは、さっぱりとしたユズだしスープと、辛くてうまい唐辛子スープのコンビ。いずれも、ベースは鶏がらスープで、ユズだしの方は、ユズのすりおろしやユズ酢などで調味している。

 具材は、タイの切り身やタイのカマの素揚げ、鶏、豚、水菜。シンプルな具材が、個性的なスープにマッチして、2つの味を楽しみつつエンディングへ。締めも、雑炊や麺で、それぞれの味を満喫できる。

 また、自家製の「柚子豚饅」(5個500円)も看板メニュー。小ぶりなかわいい豚まんは、もともと、鍋の合間につまめるように考案したものとか。こちらも、お客の8割がオーダーする人気ぶりで、冬場なら、1日で200~300個が出るという。

 豚まんの具材は、豚ミンチと青ネギと白ネギ。ここに、自家製のユズ味噌とユズコショウをプラスして、しっかりと味付け。ユズの風味と、白味噌の甘み、ピリリ感が独自のおいしさを主張する一品だ。

 「利用客の8割は女性で、他府県から来るファンも多い。美容にもよいといわれるユズのヘルシー感が、女性にうけるのでしょう」と、店長の谷口雅史さん。この店は、もともとあった3店舗を奥につなげた、趣のある造り。古い先斗町の雰囲気を感じながら、というシチュエーションも、女性のハートをくすぐるポイントといえそうである。

 冬の週末には、柚子元鍋を目当てのお客で行列もできるという。11、12月のピーク時には、1ヵ月に3000人近くが来店する。「柚子元鍋は、柚子元の看板。あの店といえばこれというメニューとして、大切に育てていきたい」と、谷口さん。また、中華というワクにこだわらず、ユズを使用したメニューを幅広く開発していきたいという。

 ◆「先斗町 柚子元」/店舗所在地=京都市中京区先斗町四条上ル鍋谷町212 電話075・254・0806/開業=2005年7月/営業時間=月~金午後5時~11時半(LO)、土日祝午前11時半~午後2時半、5時~10時(LO)。無休/席数=1階カウンター16席、2階座敷4部屋40人/1日来店客数=約50人(夏)~約100人(冬)/客単価=夏2500円、冬4500円/スタッフ=約10人/平均月商=500~600万円

 ◆愛用食材:「麻辣醤(まあらあじゃん)」

 柚子元鍋の辛いスープのポイントとして使用しているのが、自家製の麻辣醤。豆板醤に粗びきのサンショウ、一味唐辛子粉などを使用し、辛いけれどあっさりした味わいに仕上げている。この調味料は、近隣の際コーポレーション系列店でも独自の味で作っており、各店の個性を出している。

 系列店の六傳屋(ろくでんや=京都市中京区先斗町四条上ル下椎木町199)では、120gを480円で販売中。

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