電化厨房特集:大手外食チェーンの最新電化厨房=サイゼリヤ稲毛オーツーパーク店

2010.05.03 372号 02面
厨房内の温度上昇も抑えられ、夏場でも快適な厨房環境に。食材の劣化も少なくなったという

厨房内の温度上昇も抑えられ、夏場でも快適な厨房環境に。食材の劣化も少なくなったという

サンヨー電機(株)「厨房用電磁調理 TIC-C213」

サンヨー電機(株)「厨房用電磁調理 TIC-C213」

 サイゼリヤでの本格的な電化厨房の第1号店は、7年前にオープンした伏見下鳥羽店(京都府)。2008年9月にリニューアルオープンした稲毛オーツーパーク店(千葉県)は、関東エリアでは2店舗目の電化厨房導入店として、さまざまなデータの検証を行っている。

 サイゼリヤでは、現在8店舗で電化厨房の導入を行っており、厨房内ではIH調理器、ジェットオーブン、食器洗浄機、給湯器といった電気機器が使われている。

 人気商品であるピザやドリアなどの焼き上げに使用する電気ジェットオーブンは、導入当初は火の通り方や火力の違いなどの問題点があったが、調整を繰り返してきた結果、ガスとほぼ変わらない程度まで性能が確保できるようになってきたという。

 IH調理器に関しては10年前から導入を進め、現在では電化厨房に限らずサイゼリヤ全店舗で使用している。店舗開発部の岩崎英男部長によると、「ガスレンジを使用していたころは吹きこぼしなどのたびにこまめな清掃が欠かせず、それを怠ると火力にむらが出て、結果として商品の品質にも影響が出ていた。しかし、IH調理器に切り替えたことで、そうしたむらはなくなり、安定した品質の商品を提供できるようになった」といい、厨房環境やコスト面でも多くの効果が得られているとのこと。

 そして、IH調理器の全店導入が済んだ現在、次のステップとして、省エネタイプの空調機器の導入によって、CO2削減やコスト削減といった面での大きな効果を見込んでいる。特に、コスト面では約5分の1もの削減効果があるとして、新店だけでなく既存店でもリニューアル時などで順次切り替えていきたいとしている。

 また、昨年の夏以降、新店舗では全店で、既存店では順次、客席照明でのLED導入も行っている。

 ◆現場のコメント:店舗運営本部・野口健二エリアマネージャー

 電化厨房のメリットは、何よりも、“疲れないこと”により生産性が上がること。

 例えば、IH調理器は面がフラットなので、掃除のときに分解しなくてもさっとふき取るだけでよいし、鍋を火から外すときも持ち上げずにずらせばいい。また、「女性が作業をしやすい高さ」に設置することで、パートさんなどが「働いていて疲れない」環境を整えることもできます。それぞれは小さな差ですが、積み重なって大きなメリットとなっています。

 ◆店舗メモ

 ●「サイゼリヤ 稲毛オーツーパーク店」/所在地=千葉市稲毛区園生町380-1

 ●(株)サイゼリヤ/本社所在地=埼玉県吉川市旭2-5/事業内容=「サイゼリヤ」836店舗(国内803・海外33)(2009年8月期現在)

 ◆使用機器紹介:サンヨー電機(株)「厨房用電磁調理 TIC-C213」

 高さ115mmと薄型タイプのため、作業をしやすい高さに設置しやすい。トロ火から強火まで自在に調節でき、ガスコンロ感覚で使える。さらに、5つのLED表示を採用し、火加減が目で見て分かる。トッププレートはガラスセラミック。直径10~26cmの鍋まで対応可能。消費電力=単相200V×2000W

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